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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2009年 富士見丘中 【社会】

富士見丘中の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1. 自分のもっている知識を総動員し、自分で考える姿勢とチカラを問いたい

「この問題は、考え方や発想などを問う新傾向問題の一つ」

白鶯先生 本校の一つの顔とでもいうのでしょうか。社会科だけでなく、全体の方針として「新傾向問題」に取り組んでいます。コンセプトとしては、知識ではなく、考え方や発想力などを問うための問題を出そうということで、2割くらい出題しているのですが、この問題もその一つです。

他教科とのバランスもあるので、あまり突出した問題は出せないのですが、社会科としては地理・歴史分野での出題が多く、社会科は50点満点なので、それぞれ5点ずつ合計10点。ちょうど2割の出題となっています。

社会科では、地理・歴史分野のほかに公民分野があります。あとは総合という分野を設けているのですが、新傾向問題に相当する考え方、発想などにおいては、公民分野の特に政治などではいろいろと問題が絡んできますので、地理と歴史分野で出題することにしています。

地理には地図を前提とした広がり、いわゆる像がありますし、歴史は時系列的な像があると思うんです。それをどの程度とらえられているかを、新傾向問題では問いたいと思っています。

社会科/白鶯 訓彦先生

社会科/白鶯 訓彦先生

「限定的な時代だけではなくて、流れの中で歴史をとらえてほしい」

白鶯先生 この問題では飛鳥・奈良時代(592年から653年まで)を取り上げました。全貌の中でのこの時代の位置づけや、この時代の中でどのような国づくりが、あるいは歴史が展開し、それを受験生がどうとらえているかを問いたかったんですね。言葉が適しているかどうかはわかりませんが、受験生がマクロ的な視点で、歴史や地理を俯瞰できているかということを問いたかったのです。

例えばここに空欄があって、それを埋めなさいという問題であれば、この時代のことしか聞けないですよね。ところがこの問題だと、この時代の中に自分が記憶している、興味をもっていることがらを当てはめられるわけです。この時代にあてはまるということは、他の時代にはあてはまらないということですから。この問題だけで他の時代の理解も問うことが出来るわけです。

歴史の場合、50点のうち15点の配点で、一問一答式だとピンポイントでしか聞けないですから限界がありますよね。その中で縄文時代から明治・大正・昭和を聞いていくというのは難しいですから。社会科のニーズにおいても、こうした考える問題をうまく利用すれば、限定的な時代だけではなくて、問題になっていない時代までも受験生に考えさせることができますし、そういう流れの中で歴史をとらえていってほしいという願いがあります。

「時代にあてはまるか、その理由や重要性について・・・と二段階で採点」

白鶯先生 正答率は70%くらいでした。といっても、もともと新傾向問題には、これが正解というものはなくて、自由な発想、考え方を見るという趣旨ですから、正答率の概念があてはまらないようなものもあるのですが。この問題の場合には配点5点で、時代にあてはまらなければ不正解。その部分については5点のうち2点を設定しました。残り3点は、どうしてそれを選んだのか、どうしてそれが重要だと考えるのか。そこの部分において発想なり、考え方なりを見るというかたちで採点しました。

正答率70%というのは、2点の部分に当てはまる答えを書いている子が70%くらいで、そこから先の3点の部分においては、どの程度書けているか、こちらの意図を汲んでいるかを見ながら加点方式で1~3点の幅をもって採点したので、満点の5点もいれば0点もいるということですね。

富士見丘中 先生

「合格者と不合格者を比べると、不合格者はかけていなかった」

白鶯先生 そういう中で、合格者と不合格者における正答率の差ということを考えると、不合格者の場合はこういう問題に慣れていないのか、もともと知識がなかったのかわかりませんが、書けていなかったですね。あるいは書けていても最初の2点の部分でズレてしまっている子が多かったです。

例えば誤答の例として「稲作の開始」というのがあったんですね。そのズレはなにを意味しているかというと、「稲作の開始」により余剰生産の蓄積があり、国家の政治性があり、それから中央集権的国家をどう作ろうという、そういう時代の話ですから、そこに「稲作の開始」をもってくるということは、歴史の前後の流れを理解できていないということなんです。問題を作るうえでも、採点をするうえでも、そこまで見えてしまうのでこわい問題だなと思いますね。

逆に、ここまで書けているのかという子もいて、そういう解答を見ると、5点の配点を超えて10点くらいあげたいなと、心情的に思ったりすることがあります。

本質的な理解というようなところが、浮き彫りになってしまう問題ですね。

大島先生 つい「年号を書いて」という一文を入れたくなると思うのですが、それがないから答え方の幅が増えると思うんですよね。

「新傾向問題で、光るものをもっている子を見つけたい」

大島先生 新傾向問題は社会科だけでなく、全教科で取り組んでいます。正直なところ、入試の難易度が下がり気味で、受験生も少し減ってきている中で、光るものをもっている子を見つけたいという思いからです。

模試で高い偏差値を取れない子の中にも、伸びる子はいると思うんですよね。しかし、知識をもっているか、いないかを問う単純な問題では見つけられません。仮に知識はもっていなくても、賢ければ関連のあるところから探しますよね。そういうヒントに気づける子。ヒントに気づいて、自分のもっている知識を総動員し、なんとか自分で考えようという姿勢をもっている子がほしいのです。各教科でどの程度、それを問える出題ができているかはわかりませんが、極端なことをいうとこの問題が書けている子がほしいのです。

個人的には「ここまで書けているんだ」と思える子には10点あげてもいいのではないかと思っています。自分が考えたことを表現できるというのはすごく大切なことで、それができている子は、入試前の偏差値がそんなに高くなくても、今後伸びる可能性があると思うんです。

受験生が多いと、効率よく採点できる問題を考えざるをえないのですが、今は残念ながら受験者が減っている。だったら逆に思い切って採点に時間をかけられる問題を出していこうということで、通常の偏差値レベルでは図りきれない、新傾向問題に取り組んでいます。

何年くらい前からになりますか?

大島先生 7~8年は経っていると思いますね。塾でトレーニングした受験生にも、もちろん入学してほしいという思いはありますから、知識を問う問題をなくすということはありえません。ただ、それができなくても点数を稼げる問題。時間がかかってもなんとかしようという姿勢が見える問題にこだわっています。

教頭/大島 規男先生

教頭/大島 規男先生

インタビュー 1/3

富士見丘中学校

富士見丘中学校1940(昭和15)年、女子の商業実務教育実践の場として昭和商業実践女学校が設立。44年に富士見丘女子商業学校と改称、48年に現校名になった。63年には普通科を設置し、78年、中高一貫教育による女子教育の総合学園を目指し、休校中の中学を再開。94(平成6)年に授業5日制を実施。

相手を思いやる「忠恕」の思想を教育理念に掲げまごころと思いやりの心をもち、世界に通用する知性と教養をそなえた「国際性豊かな若きレディー(淑女)」の育成を目標とする。自ら学ぶ「自調自学」の精神と国際感覚を養うことに力を入れるほか、独自のテーマ学習や「職業体験」を行い、学習への意欲を高めている。現代的で明るい校風に加えて、95%を超える現役での進学率は受験生の支持を集めている。

02年に「地球にやさしく人にやさしい、わたしたちの学校」をコンセプトに省エネや節水など環境に配慮した新校舎が完成。地下2階、地上6階建てで、最新の設備を完備したCALL教室(LLとコンピュータルーム)をはじめ、明るいラウンジ、緑を取り入れた屋上やパティオ(中庭)、雨水をトイレの洗浄水に利用した循環システムなど、すべてが21世紀の学びの場にふさわしい学習環境といえる。

中学では、英語に「LET'S SPEAK」、数学に「問題を解こう」、国語に「古典に親しむ」といった独自の科目を設け、基礎養成の徹底化を図る。たとえば「LET'S SPEAK」はクラスを半分にした少人数制で、外国人教師がオーラルコミュニケーションを指導。英・数では2クラスを合体してこれを習熟度別に3解体して授業クラスを編成。1クラスの員数が25名なので、この教科は15~18人で授業を行っている。また主要5教科を中心とした補講を放課後、土曜、長期休暇中に実施。希望参加制だが、過半の生徒が受講している。高1までは外進生と別クラス編成。高2から外進生との混成となり、各自が自分の進路に応じたオリジナルな時間割をつくる態勢をとって、難関大学への合格実績を伸ばしている。

「国際性豊かな若き淑女」の教育理念は、学校生活すべてに貫かれている。全生徒を対象に、毎朝10分間読書の時間がある。オーストラリアへの修学旅行(中3)や、オーストラリア姉妹校への3ヶ月留学(高1希望者)、イギリス、カナダなど3カ国から選べる夏期・春期短期留学(中2~高2の希望者)は、英会話学習の実践の場であり、国際感覚が養える機会として生徒にも好評だ。5月には学年合宿が行われるほか、歌舞伎教室、ホテル・テーブルマナー研修、芸術鑑賞もある。全員参加のクラブ活動は中学では文化部16、体育部8があり、テニス、吹奏楽、書道部などが活躍中。特に中学・高校のテニス、少林寺拳法部は強豪で、毎年全国大会に出場している。

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