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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2009年 成蹊中 【理科】

成蹊中の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1. 実物に触れることを重視。「なぜ」を考えながら実験・観察しよう

「科学エッセイや読み物を素材に、理科的思考力を試す」

宮下先生 宮澤賢治の「星めぐりの歌」のような理科的な読み物や科学エッセイは、思考力を試す問題として理科入試の導入時から取り上げています。

新しい学習指導要領では「科学リテラシーを大切にする」という方向性が示されています。理科としても文学的な読み物を読み解く力を鍛えたいと考えています。宮澤賢治は自然を題材にした作品を数多く残しています。自然描写を理科の目線で読み解く楽しさを感じてほしいと思います。

保母先生 素材選びのポイントは、小学生でもある程度理解できる内容であることです。素材が大人向けであれば、小学生でもわかるようにかみ砕いて取り上げます。

理科/宮下 敦先生

理科/宮下 敦先生

「意外にあった“星6つ”の北斗七星」

宮下先生 正答率はこの大問全体で約63%で、おおよそ予想どおりでした。ただ、4の図をかく問題はさほど難しくないと思っていたのですが、いろいろな形の北斗七星見られたのが気になりました。

星の数が6つしかなかった解答がありましたが、星の数が足りないのは、「形がひしゃくになっていればいいだろう」と思ったのではないでしょうか。頭ではわかっていても、正確にかくとなると教科書を眺めるだけでは難しかったかもしれません。

また、北斗七星ではなくカシオペア座をかいた誤答もありました。北極星はひしゃくの先の星から5倍の距離があります。「5」という数字だけを覚えて星座の見つけ方と結びついておらず、カシオペア座の星の数(5つ)と混同したと思われます。

自分で星座をかいてみたり、実際に夜空を眺めて星座を探して本物を見てほしいですね。東京でも北斗七星のような明るい星は見つけられると思います。星がとてもきれいに見える場所では星座はかえって探しにくい。都心の夜空の方が星座の基本的な形が見やすいと思います。

「基本の知識こそしっかり押さえよう」

宮下先生 入試で最近感じるのは、“基本中の基本”と思われるようなことが抜け落ちていることです。たとえば、豆電球のどこに導線をつなぐと光るのか。ソケットが付いていればわかるけれど、ないとわからない。過去に豆電球で実際に光を放つのはどの部分かを聞いたところ、球全体が光ったり、いろいろなところが光っていました。

保母先生 メダカのヒレをかかせる問題では、オスとメスにはこだわるのですが、魚の基本的なヒレの位置がわかっていない解答が結構見られました。

宮下先生 基本問題として出題したつもりが意外に落とし穴になっている。机の上の勉強だけでなく、できるだけ自分の目で実物を見て確認しましょう。

保母先生 小学生は虫眼鏡を使って紙を燃やすなど、鏡やレンズなど身近な道具を使って「理科遊び」をしてほしいですね。そうした経験のうえに中学や高校の理科が成り立つのです。解答を見ると、あまり遊んでいないように感じるのが残念です。

入試部長/保母 禎造先生

入試部長/保母 禎造先生

「知識を総動員すれば、初めて見る問題でも対処できる」

保母先生 理科は“暗記問題”にならないように、できるだけ考える問題を心がけています。ですから初めて見る図表から情報を読み取る問題を意識して出題しています。

今年度の生物の問題はダイズをテーマに、ダイズの開花始めからの開花数と結きょう(さやとなって実ること)数をグラフで示しましたが、このようなグラフを受験生は見たことがなかったと思います。内容は難しくはないけれど、「初めて」見るものにどのように対処するかを試しました。

宮下先生 入試説明会で、保護者の方に過去の入試で取り上げた生き物を知っているか聞いたところ、ミドリイシサンゴを知っているのは300~400名中わずか数名でした。ですが、初めて見るものであっても、子が成長すると姿がどう変わるか、生き物どうしの食べ物の奪い合いや戦略といった小学校で学んできたことを総動員すれば、解ける問題になっています。基礎をしっかり理解できていれば、応用問題にも対応できると思います。

「理科で必要な書く力とは、だれが読んでもわかる文章力」

宮下先生 入試では問題をしっかり読めることも重視しています。本校は読み書きに力を入れて指導していますが、理科もその姿勢に変わりはありません。理科の守備範囲で、ある程度読み書きができること、とくに「自分の考えをまとめる力」を鍛えています。

理科で求められる文章センスとは、「第三者が読んでもわかる」ことです。「このデータから、このようなことがわかる」というように、数字のような客観的な根拠に基づいて要点を的確に表現する力が求められます。

授業では実験のあとに必ず簡単なまとめを書いてもらいます。要点を的確にまとめるには、文学作品を読んで感想文を書いたり、資料をまとめて論述する文章力とは別の能力が要求されます。理科では情緒的に表現をふくらませる必要はありません。表現の巧みさよりも、的確な表現をよしとします。

生徒たちは発想が柔軟なので、自由に書かせるといろいろな表現が出てきます。それは強みとして伸ばしてあげたいが、大学入試の論述試験では伝えたいことを一貫して論じることが求められます。目的に応じて表現を使い分けできるのが理想です。実験や観察のレポートなどで、仲間内にしかわからないような、思い込みや独りよがりな表現になっていないかをチェックします。こうして中学の段階からコンパクトに伝わる文章をめざしています。

成蹊中

インタビュー 1/3

成蹊中学校

成蹊中学校1906(明治39)年、創立者・中村春二により私塾「成蹊園」が本郷西片町に創立。1924年に吉祥寺に移転し、翌年7年制の成蹊高等学校設立。戦後新制中学・高等学校となり、49(昭和24)年に大学を設立。同じ敷地内に小学校から大学までが並ぶ学園となる。

校名の由来、「桃李ものいはざれども下おのづから蹊(こみち)を成す」(『史記』)に基づいて「個性の尊重」「品性の陶冶」「勤労の実践」を教育理念としている。旧制の7年制高等学校の伝統と理念を継承する。家族的雰囲気のなか、個性重視、自由闊達な校風を保っているのも特色。

学園の正門から中・高正門までのけやき並木が見事。広々とした校内に特別教室棟、理科館、造形館、2棟の体育館などが点在。2008年には新校舎も完成した。けやきグラウンド(ラグビー場)、野球場、サッカー場、馬場などが大学と共用でき施設も十分。

成蹊には「主要教科」という言葉はない。芸術科目や実技教科も含め、長い目で見た発展可能性を重視したカリキュラムを組んでいる。学習状況は年5回の定期テスト、随時行われる小テスト、実験レポートなどの成績により評価される。高2から文系・理系への移行が始まり、英・数は3段階の少人数制授業。高3では進路別に16のコースに分かれ、多彩な選択授業で対応。高校の自由選択の演習では、仏・独・中国語を設ける。成蹊大学へは30%が推薦で進学するが、他大学進学希望者が増えており、東大、一橋大へ一定の合格者を出すほか、早慶上智大、東京理科大などにも多数の合格者を輩出。

静かに目を閉じ精神の集中をはかる「凝念」を行うのが日課で、テストや試合前など自分から自然に行う生徒も多い。クラブ活動は盛んで、全国優勝を果たした男子硬式庭球部、東日本大会優勝のラグビー部、また文化部では都の吹奏楽コンクール金賞の吹奏楽部、自然科学部など29(中学のみ)がある。

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