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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2009年 光塩女子学院中等科 【社会】

光塩女子学院中等科の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3. あえて医療や死、戦争の問題などにも触れ、人間生活を正面から見つめてほしいと願う

「ホスピスや終末期医療など、社会科が取り上げる話題は幅広い」

西谷先生 以前、入試問題で、「もし、災害で水が使えなくなったら、(こういう時)(ああいう時)どうしますか?」というような問題を出したことがあるのですが、その時も概ね、考えを述べてくれていました。やはりただ問うのではなく、提案してもらうとか、そういうこともできるだけ要素として含みたいと思っています。

阪神淡路大震災の時は、入試の時期も水が使えなかったんですよね。

西谷先生 そうでしたね。ただ、子どもたちもどんどん移り変わっていくから、その時のことを知っている子がどんどん少なくなっています。折にふれ、今見ているもの以外の存在にも目を向けましょうということは、学校全体で取り組んでいますね。

触れにくい戦争や死にも触れますよね。

西谷先生 触れますね。倫理では中3のグループ研究でホスピスや終末期医療なども取り上げます。ホスピスで働いている方に来ていただいて、中3のクラスで講演をしてもらったり、高齢化社会をテーマに学習した子どもたちは特養ホームに出かけて、お世話はできないのですが、車椅子をきれいにしたり、おむつやタオルをたたむなど、そういう仕事を手伝います。

恵まれている子が多いので、生徒の中にはとてもびっくりする子もいますが、「おばあちゃんにしてあげたことがある」「お母さんもしている」と、共有できる子たちもいます。

光塩女子学院中等科

「手作りプリントやノートの徹底を図る」

教材などで工夫されていることはありますか。

西谷先生 教科書と資料集だけではどうしても十分ではないので、皆さん、自分で作ってかなりの部分を補っているのではないかと思います。中にはプリントではなくて、ノートを徹底させている教員もいます。その際、板書を写すだけではなくて、こちらが解説したことも記録に残せるようにするとか。1年でノートをきちんととれるように指導している教員もいます。中2はプリントが多いですね。

烏田先生 歴史は話すことと板書が大事になります。しっかり聞き取って、まとめていくということが大事だけれども、公民は考えさせなければいけないから。

西谷先生 そう、考えさせなければいけないし、今の世の中がどうなっているのか、知らせなければならないから、私はいつも新聞記事を出して授業をしています。

「歴史を身近に感じてもらいたいから、近現代史を重視」

生徒さんのほぼ全員が大学進学を希望されるわけですが、女子校の中では理系希望者も多いし、文系でもいろいろな方面に行かれていると思うのですが、それを踏まえて、どんな力を身につけさせてあげたいと思っていますか。

西谷先生 与えられた情報を管理するだけではなくて、自分で整理できる力というのがどうしても必要だと思うんです。中学の間はなんとかなるのですが、高校になると圧倒的に情報量が多いので、それを全部覚えようとしていたのでは絶対にムリ。その中でもどれをエッセンスにするかということがわかる授業や、順序立てて頭に入れることができる授業を基本としておいていますね。

将来的な理系選択者であっても、近現代史は知っていてほしいと思いますので。高1は社会科の必修として日本史も世界史も近現代をやっています。やはり帝国主義が影響を及ぼしていることが大きいですからね。

高1の世界史、日本史では、「話題になっている原点はここです」と言える授業ができるかなと思っているんですよね。歴史に関する新発見のニュースや、歴史上の人物にこんな側面があったというようなニュースが時々出ますよね。私はそういうことが好きだから。そういうものを出して、「教科書ではこういうふうに言われているけれど、こういう一面もあったんですよ」という。遠い人のことでも身近に感じてくれるきっかけになればいいなと思っています。

自分の生活に関係があれば興味をもって覚えるけれども、そうではない、昔のことはどうなの?という子もいますからね。だから全員に興味をもたせることはできないけれども、少しでも頭に残ってくれればそれでいいと思っています。

マスコミ関係に進む子が多いイメージがあるのですが。

西谷先生 そうですね。社会系に進む子は多いと思います。

そういう子は、やはり在学中から自分の考えや意見を言えるのですか。

西谷先生 どうなんでしょうね。学年によります。

烏田先生 話すのが苦手でも書くことが上手な子もいますよね。

言えない子も、なんらかの形で表現できる環境だと思います。

西谷先生 静かな学年の生徒は、書くことが好きですね。言えない分、きっちり書いて表現します。

社会科/烏田 信二先生

社会科/烏田 信二先生

「新校舎が完成。曳家工法が話題に」

新校舎を作る際、校舎を引っ張って移動させましたよね。

西谷先生 そうなんです。曳家工法と言って、古い校舎を移動して、授業をしながら、新しい校舎を作りました。今は、古い校舎は全部壊して、新しくなりました。そこにはテニスコートができたりしています。

烏田先生 2日がかりだったんですよ。初日は基礎の部分を動くようにする作業を行なって西へ少し移動し、2日目に北へ移動作業を行ったんです。

西谷先生 重機を使えなくて、手掘りのようなことをだいぶしてらっしゃいましたよ。すごかったです。首相官邸と同じことをしたのだとか。中高の校舎では初めてです。

生徒さんも興味をもたれていましたか。

西谷先生 夏休み中でしたが、わざわざ見に来ていた子もいました。新聞も結構取材してくださって。

プレハブはごみになるだけ。曳家工法だと材料、素材を無駄にしないですむので、非常によかったと思います。

インタビュー 3/3

光塩女子学院中等科

光塩女子学院中等科1931(昭和6)年、スペインを発祥地とするカトリック・メルセス宣教修道女会によって、かけがえのない自分に目覚めた女性を育てることを目的として、光塩高等女学校が設立される。47年に現在の校名に改称、高等科・中等科・初等科を設置。55年、幼稚園を設立した。2001年(平成13)に高校募集停止。

人間はすべて「世の光、地の塩」であるという真理が校名に刻まれているように、かけがえのない「自分」の存在に目覚め、惜しみなく己を他人のために開くことのできる人間に成長することを願う。年に数回個人面接があり、フランクに日頃思っていることを話し合う機会を設けており、教師と生徒、生徒同士、教職員同士の相互の「信頼感」に支えられた温かく密なコミュニケーションの雰囲気がある。生徒の真に主体的で、調和のとれた人格の発達を目指している。

白とレンガ模様を基調とした校舎は、施設拡充を積極的にはかったもの。地下には聖堂、体育館がある。校内は清楚で落ち着いた雰囲気。01年の校舎の増築では、体育館、図書室、コンピュータルーム、多目的ホールなどが完成。さまざまな教室が校内LANで結ばれた。四阿高原の山荘、900名収容でパイプオルガン付きのメルセダリアンホールも自慢。2008年に中学新校舎が完成。

1学年5~6名の教師が担当する共同担任制を採用している。一人ひとりの学力を伸ばすことを大切に考え、中学の英・数や、高校の英・数・理などでは習熟度別授業を実施。高2からは授業の4割を選択科目とし、生徒がそれぞれ自分の進路にあわせた時間割を組めるようにしている。小テストがこまめに行われ、漢字とスペリングは週1回、中1・中2の計算小テストは月1~2回ある。英語の教科書は『プログレス』を使い、高2までにBOOK1~5を使用。自分で考え、分析する力の養成も重視し、国語や社会では「書く」機会を多く作り、高2国語の教養演習ではディベートも取り入れている。難関大学への実績も好調で、理数系進学者は3割前後。

高3まで、週1時間、倫理の時間を設けている。クリスマスやミサなど、宗教的な行事のほかに文化祭、林間学校、中・高が合同で行う運動会、弁論大会などの学校行事やカトリック球技大会など他校との交流も幅広い。創立当初から奉仕の精神を大切にし、ボランティア活動が盛ん。クラブ活動は体育系7、文系11あり、中高合同で活動、学業と両立できるように、通常の1週間の活動日は2日以内。学校生活では、誠実で地道に努力することを評価する。外出については場合によっては保護者同伴であること、学校の帰途、無届けで制服のまま寄り道をしないことなどの規定がある。弁当持参が原則。パンの販売がある。

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