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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2009年 学習院中等科 【算数】

学習院中等科の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1. 試行錯誤して自由に発想し、問題に取り組んでほしい

「シンプルな図形だけれど、考えさせる問題」

1は90度回転させることがわかればすぐに解けるでしょう。円の内側の図形を、1が90度、2が30度、3が180度回転させて解く問題です。「回転させる」ことに気づけるかどうかが正解のポイントです。

中学受験という特殊な状況ですが、円や正方形、正三角形、正六角形といったなじみのある図形を使っているので、興味をもって取り組んでもらえたのではないかと思います。

入試問題というと複雑になりがちですが、できるだけシンプルかつ考える問題づくりをめざしています。図形をシンプルにすることで、複雑な条件の制約にとらわれずに自由な発想で解いてもらおうと思いました。

受験生の発想力をきちんと見ようと、考えるプロセスがわかるように解答用紙に問題と同じ図形を載せました。こちらの予想以上にいろいろな書き込みがあり、ほとんどの受験生があの手この手でチャレンジしていました。受験生の反応がよく、採点のし甲斐がありました。

数学科/近澤 一穂先生

数学科/近澤 一穂先生

1は正解できたが、3は難しかった」

1はよくできていましたが、23はほとんどが部分点止まりでした。とくに3の正解者は全受験生の数%程度でした。

1は、いろいろな学校の入試問題で取り上げられている図形です。受験生は【正方形の面積=対角線×対角線÷2】がわかっていますから、合格した受験生はこの問題は正解していたと思います。90度に回転させて、角を中央に折りたたむ折り紙の要領で解いていた受験生もいました。

2は、正三角形に6分割した受験生もいれば、4つの二等辺三角形に分割した受験生もいて、いろいろな解き方が見られました。

3については、図形への書き込みからあれこれ考えた形跡は見られるのですが、うまく解き進めることができずに間違えたというパターンが多かったですね。3の問題は比で解いた受験生が多かったと思います。

図形の対称性に着目すれば、図を回転させて解くことを発想できたのではないでしょうか。

1の解き方が23のヒントになる」

「回転」させて「分割」するのが解答のプロセスです。実は、1の解き方が23のヒントになっています。1で円の内側の図形を回転させたので、23も回転させて解くのではないかと作問者の意図を読み取って予想できた受験生もいたでしょう。

一方、回転と結びつけて考えられなかった受験生もいました。「回転」という発想ができるかどうかは、日ごろの練習によるところが大きいと思います。「前に似たような問題を解いたな」ということで、そのときの知識を使えた受験生はより正解に近づけたのではないでしょうか。

まったく知識がなくても図形に意味のある補助線が引けるお子さんは、そうはいません。いままで見たことがある、似たような問題を解いた「経験」から、使えそうな知識を総動員して「応用」することができれば、正解にたどり着けるのではないかと思います。

さらに、1のような問題を解くときに、「図が接しているところを使う」ということまで考えられたかどうか。回転することだけを覚えるのではなく、回転させる意味がわかっていれば、23の問題でどうすればよいかわかったかもしれません。

学習院中等科

「自分の考えを言葉で説明できる練習をしよう」

誤答で一番多かったのは、「Aの面積はBの面積の何倍か」というのを取り違えた解答でした。「1/2倍」とするところを「2倍」と答えており、問題をきちんと読み取ることができていませんでした。

採点は受験生の考え方を重視しました。算数は途中式をきちんと見ます。意味のある作図や式を書いていれば部分点をあげましたが、途中の計算式が書かれておらず、答えだけの解答は、答えが合っていてもこの場合はほとんど点数はあげられません。

解答用紙を見ると、図に書き込みはしているのですが、なぜその答えに至ったのかが説明されていません。そのような解答は、本当にわかっているのかあいまいで、“勘”で答えたのではないかと思えます。おそらく感覚的にはわかるけれど、どのように説明すればよいかがわからないのでしょう。

円の内側の図形を回転させる、図を分割する、ということを説明する一文がほしいですね。問題の解き方はわかるけれど、定義や意味をしっかり理解しないまま、テクニックや結果ばかりを暗記しているような学習では、このような問題は解けないでしょう。

考えのプロセスの説明を書く練習をしているか、自分の考えを文章化する練習をしているかは、この問題でよくわかります。一見して「わかった」と思っても、文章で説明するのは意外に難しいものです。考え方をしっかり書けるように、ふだんから練習しておきましょう。

インタビュー 1/3

学習院中等科

学習院中等科1847(弘化4)年、孝明天皇により京都につくられた公家の学問所が始まり。「ひろい視野、たくましい創造力、豊かな感受性」の育成に力を入れている。早い時期から帰国生を受け入れ国際化する現実にも即応。アメリカ・メリーランド州セント・ポール高校と、高等科との交換留学も行われている。

中等科は大学までの基礎と位置づけられ、じっくりと基礎学力を養成する。近年は学習院大への進学は6割程度。JR山手線・目白駅からすぐの学習院大学と同じ敷地内にあり、校地の広さと緑の多さは都内でも随一。

中高が独立しているため生活環境ははっきり違う。中等科では規律が厳しいが、高等科は自主性を重んじた自由な気風となる。クラブ活動は原則として、中等科は週4日。硬式テニス部や陸上競技部は全国大会に出場する実力派。天体観測や化石採集を行う地学部は文化部でもっとも人気がある。

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