
山脇学園中の国語科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
「自由で柔軟な発想から生まれた問題」
砂口先生 入試では、「確実な基礎力」とともに、身につけた知識を「総合的に活用する力」を試す問題を出題しています。
本校では「多様性」を重視しています。多様なものの見方や考え方を受け止めたうえで、自分の意見を構築し、さらに多様な相手に向けて自分の言葉で表現する力は、入試に限らず、国語科として目指すべき方向性の1つです。
この問題は、「多様性」と「総合力」という国語科のキーワードと、作問者の自由な発想が結びついた問題といえるでしょう。国語の入試問題としては珍しい切り口だと思います。
金子先生 単に暗記した知識を問うのではなく、知識を総合的に活用できる力を試したい。国語という教科の枠にとらわれずに「考える力」をみる問題も必要ではないかと思い、この問題を作りました。
また、日ごろどんなことに視点を置いているかが問われる問題でもあります。学校の教科書や塾のテキストを眺めるだけでなく、本を読んだりニュースを見たり、街を歩いて目に飛び込んできたものについてどう思うか、物事を「読み解く力」が求められます。
国語科主任/砂口 義智先生
「のびのびと自由な発想が見られた解答」
金子先生 解答を見ると、じつにバラエティーに富んでいました。「昔の暮らしを体験できるホテル」や「昔の染め方で染めたカーテン」、「ドラム缶の温泉風呂」など、いろいろありました。「ぞうりに似せたサンダル」のように、ファッション関連の解答が多かったのは、女子らしい発想だと思いました。
ちなみに私は、『源氏物語』のような古典作品を子どもたちにも気軽に読んでもらいたいと思い、「古典作品をコミック化する」というアイデアを考えました。
アイデアが現実に実用化できるかどうかよりも、アイデアのユニークさを重視しました。まだ商品化されていないアイデアの方がむしろ斬新で、出題意図に合っています。
「『古いもの』を、伝統的なものととらえる」
正答率は7~8割とよくできていたと思います。
採点の基準は、「昔のアイデア」が入っていること、それを現代の生活に活かせるものであることです。「野菜を使ったケーキ」のように、新しいアイデアだけで昔の視点が抜けた解答は不正解です。
「木で造った家」という解答がありましたが、これでは説明が不十分です。ここでいう「古いもの」とは、「いま使われていないもの」ではなく、「伝統的なもの」ととらえてもらいたい。つまり、「古き良きものを、いまの時代に合う別の形に作り替える」というニュアンスです。「伝統的な工法で造った家」というように表現できるとよいでしょう。
また、文中の具体例以外のアイデアであること。「昔の着物の生地を使ったドレス」を、「昔の着物の生地を使った小物」というように、具体例をアレンジしただけの解答は不正解にしました。
国語科/金子 忠央先生
「予想より多かったリサイクルの誤答」
金子先生 正解のポイントは、「古くて新しい」の意味をきちんと読み取れることにあります。ですが、これをリサイクルの問題だととらえて、「ペットボトルから服をつくる」「空き缶をペン入れに使う」といった解答が思った以上に多かったですね。
砂口先生 考え方としては、文中の具体例がヒントになります。ただ、「古くて新しい」という対になる言葉が結びついた語句の意図をきちんと読み取れないと、リサイクルのように、出題の意図とは違う因果関係でとらえてしまいます。
金子先生 リサイクルは身近でよく出てくる話題なので、「古くて新しい」と「使ったものを再利用する」を混同したのでしょう。その前後に書かれていることをしっかり読み取れているか、そこに読解力の差が出たように思います。何が問われているのか、冷静に見極めることも問題を解くうえでは大切です。
インタビュー 1/3

創立106年の歴史を持ち、「どんな時代にも適応できる教養高い女性を育成する」という初代校長山脇房子の教育理念を、今日まで受け継いできた。女性の社会でのニーズが高まり、自ら道を切り開くことが可能な現代、社会の第一線で活躍できる力をつけたいと、教育改革に取り組んでいる。またそれに伴う教育環境の整備(新校舎建設など)も視野に入れ、「山脇ルネサンス」と称す学校改革を進めている。
12歳からの6年間、人間としての基礎力(学力・社会力・自律力)を十分に身につけ、絶えず変化する現代社会、グローバル化した国際社会においても力強く生きていくことのできる女性を育成する。キャリア教育により、人間的成長をはかるプロセスを6年一貫教育の中で展開。本校独自のカリキュラムにより教科指導・進路指導に重点をおきながらも、中学での琴・礼法・華道や、6年間行われるダンスの授業など、女子校ならではの女子教育にも力を注いできた。
英語・数学は中2から習熟度別授業を進める。また総合学習の中で、中1・中2で「マイオピニオン」「職業インタビュー」、中3・高1では将来の進路を目標とした取り組み、高2では各自が志望系統の学問を深める1つのテーマを選んで研究する「課題研究」作成を行っている。高2までに基礎的な学習を終え、高3から大学受験に対応した選択制の演習が中心となる。演習は少人数で開講し、生徒個々に対応したきめ細かな指導を行う。土曜日、放課後、夏・冬休みには、中高とも指名制あるいは希望制の補習・補講も実施し、バックアップ体制も整えている。
「学校6日教科5日制」をとり、月~金は6時間授業、土曜日は学校行事やクラブ活動にあてるほか、土曜特別授業を開講。アドバンス講座や基礎補強講座、英検や受験対策講座などが開講される。クラブは文化部、運動部合わせて35あり、活動は自由参加だが、約95%の生徒が加入し盛んであり、マンドリン部、テニス部は全国レベルの実力を持つ。10月の山脇祭では、クラブ活動の日ごろの成果を披露するが、どのクラブも華やかかつ熱心な発表を繰り広げている。
赤坂という都心にありながら、広々とした校舎・グランドをもち、大使館が点在するなど周辺は静かで、学習環境にも恵まれている。