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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2009年 市川中 【理科】

市川中の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1. なぜそうなるのか、理科の現象をどこまで理解しているかがわかる問題

「人工衛星と月の動きをリンクさせて考える」

佐々木先生 人工衛星を取り上げたのは、入試問題であまり扱われていない題材を使いたいと思ったからです。「第一宇宙速度(地球の周りを円軌道で周回できる地表面ぎりぎりでの速さ)」に着目して問題を作ったら、おもしろそうだと思いました。

「常に地球の方を向いている」といって思い浮かぶのが、月です。月はいつでも地球に同じ面を向けていますが、これを知識として知っているお子さんは結構いると思います。ただ、なぜそうなるのかというところまでしっかり理解できているでしょうか。理科の知識をもう一歩踏み込んで理解しているお子さんは、月の動きとこの問題をリンクさせて考えることができたと思います。

理科/佐々木 克先生

理科/佐々木 克先生

「『常に地球の方を向いている』とはどういうことか」

佐々木先生 「静止衛星となるための軌道の説明」については、出来具合はよかったと思います。一方、「常にカメラが地球の方を向いている人工衛星の動き」を説明する記述問題は、正答率は低かったですね。

「衛星の自転周期が公転周期と同じ」ということと、「自転の方向も公転方向と同じ」という2点について書けていなければなりませんが、どちらか一方しか書けていない解答が多かった。両方とも書けた受験生は数%、こちらが意図したとおりの完全解答は片手ほどしかいませんでした。

“もう一歩”の解答は、「常にカメラが地球の方を向いている」ということを、「自転周期と公転周期が一致していればよい」という理解でストップしています。つまり、「同じ方向で回るものだ」という前提で考えているのですが、自転と公転の方向が同じでなければ、常にカメラが地球の方を向いている状態にはなりません。完全解答の受験生は、「逆方向で回転するとどうなるか」というところまで踏み込んで考えることができているのです。

「記述は『なぜそうなるのか』意図が見えるように書く」

佐々木先生 誤答の中には、「カメラが常に地球の方を向けばよい」という解答がありました。受験生がどのようにイメージしたのかを推測すると、人工衛星の周りをカメラが回っている、あるいはカメラが独立しているのか、衛星本体がどのように回ろうとカメラが地球の方を向いてさえいればよい、ということなのでしょう。カメラが衛星本体から独立しているならば、「どのような動きになるのか」を説明すべきですが、それが書かれておらず、苦肉の策で書いた印象を受けます。自分の考えの意図が相手に見えるように、筋道を立てて説明できるようになりましょう。

「表面的なことに惑わされない」

佐々木先生 問題では「ひまわり6号」という愛称ではなく、「MTSAT-1R」という正式名称で出題しました。これは、1つは表面的なことに惑わされないこと、もう1つは正式名称があることを、問題を通して知ってほしかったからです。受験生が問題から「そうなのか」と思ってくれるとうれしいですね。本校に入学する・しないに関係なく、受験生には入試問題を通して何か新しい知識を得てほしいと思っています。

理科・教頭/大塚 英樹先生

理科・教頭/
大塚 英樹先生

「自分で疑問を解決できる力を身につけよう」

大塚先生 本校では、「自ら考え、問題解決できる人材」を育てたいと考えています。問題解決の際には柔軟な姿勢が求められます。この問題のように、見慣れない題材を使った問題でも、与えられた情報と身につけた知識を組み合わせて推測しながら問題を解ける、そうした能力をもつお子さんを強く求めています。

学内ではアウトプットの養成に力を入れており、より高いレベルを目指しています。ですから中学入試という入口の段階においても、自分の考えを理科的な考え方でまとめる力を求めています。

「理科的な考え方」とは、筋道を通す、根拠を示して説明するということです。身近な現象の背景にはさまざまな法則があります。現象を知っているだけでなく、「なぜそうなるのか」ということまで理解して、簡潔にまとめられるようになりましょう。

それには、ふだんから身の回りのいろいろなことに疑問をもつことです。そして、その疑問を自分で考えて解決する習慣を身につけましょう。教えられたことをそのまま受け止めて、「そういうものだろう」で片づけてしまわないことです。「なぜ」という疑問がわいたら、調べ学習で自分の頭の中で知識をかみ砕き、それを再構成して「こうだろう」と推測する。こうした手順を踏んで学習しているお子さんは、理科的な考え方ができると思います。

インタビュー 1/3

市川中学校

市川中学校1937(昭和12)年、市川中学校として開校。47年、学制改革により新制市川中学校となる。翌年には市川高等学校を設置。2003(平成15)年には中学で女子の募集を開始し、共学校として新たにスタート。同時に新校舎も完成させた。

2009年度4月から5年間文部科学省によりSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校に。今年度は、全国で9校、そのうち私立は市川だけ。5年間で5600万円の援助などにより、さらに理科教育の発展が期待できる。

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