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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2009年 桐朋中 【算数】

桐朋中の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1. オリジナリティーのある問題のなかで、受験生の想像力を試したい

「この問題は、桐朋の算数でも難しい部類の問題」

この問題の出題意図からお聞かせいただけますか。

わずかな試験時間の中で、手を動かしながら、しっかり考えて答えてもらおうというのが、桐朋中学の算数の最後のほうの問題の趣旨であり、この問題もその一環で出題しました。

この問題で問いたかったチカラは、創造力(イマジネーション)です。中学、高校では、平行移動すると、どこかに重なる領域ができるということを学ぶと思うのですが。1では定番の面積を求める問題を、それに絡めて出してみようと考えました。

最後は3の「重なった図形が三角形の時に、もとの図形はどんなものが考えられますか。三角形であるものと五角形であるものを、それぞれ1つずつ書きなさい」という問題で、答えがいくつもありました。三角形は条件がきついので完答は難しかったかもしれませんが、それがわかると五角形も角を削る、あるいは増やすという発想で、答えが出てきたと思います。解き終えた時に、「できたかな?」「おもしろかった!!」と、思える問題だったのではないでしょうか。

中学教務主任/村野 英治先生

中学教務主任/村野 英治先生

「他では見ないような問題にこだわって作問している」

とても桐朋らしい問題という印象を受けましたが・・・・・・。

私たち教員は、常にオリジナリティーのある作問を追求しています。ただ独創的なだけでなく、受験生が育んできた力で解けるような問題。そして他では見ないような問題にこだわり、それにどう応えてくれるかなと。そして解き終わった後、子供たちはどういうふうに感じてくれるかなと。「おもしろかったな」「あの学校に行きたい」と思ってくれたらいいな。そんなことを思いながら問題を作っています。

「完答は4分の1くらい。思っていたよりも少なかった」

桐朋の算数は試行錯誤するような、いい問題が多いですよね。この問題の正答率はいかがでしたか。

きちんとした正答率は出していないので、お答えできないのですが。全く手をつけられなかったという子は少なかったです。ただ、1番からできない子がいました。斜め上に1マスずつずらすというのが、どういうことを意味しているのか、わからなかったようです。

完答は4分の1くらいでした。これは予想外でしたね。もう少し想像力をもって取り組んでほしかったです。大設問7の中の5番目の問題なのですが、これは「そう簡単ではないだろう」と私たちの中でも予測していたのですが、やはり小学生には優しくなかったようです。

しかし、私たちの想像を超えた、子供たちの柔軟な思考を目の当たりにして、入学してきたら、それを硬直させないようにしたいと思いました。大人はみんな、方眼のマスの角を使ってきれいにやろうとするのですが、子供たちはもっと柔軟で、中途半端が起きるのです。角を1つ増やしたりしてやるので、そこはハッとさせられました。採点が楽しかったですね。

数学科/栗原 忍先生

数学科/栗原 忍先生

「解く過程を大切にしているから、記述問題を毎年出題」

毎年、記述問題も出されていますが・・・・・・。

日々の授業の中で「プロセスが大事。どう考えたかを書こう」と言っています。学校案内に授業風景が載っていますが、中学1年生にも証明を板書させて、これが大事なんだと。しょっちゅう言ってることが反映されたのが記述問題だと思います。

また、私たちは普段、受験生に対して教えているわけではないので、受験生がどんなふうに解くのか、わからないところもあるんです。記述問題を出すと私たちも勉強になるというか。次の作題につながるだろうという思いもあって出題しています。

トレーニングしてきたものが、ちょっとしたミスで点数をもらえないのではかわいそうですから、加点法で採点しています。

受験生が考えたことを汲み取ってあげるということですね。

そうです。時々、書くと時間のロスになるので書かない子がいるんですよ。「書きなさい」という指示なのに、書かないで正答している場合には悩みます。逆に、ちょっとでも楽しいアプローチをしてくれたら感激ですね。

「最後の問題まで手をつけた子が、合格に近づけるような問題を作りたい」

問題用紙にも白紙を多くとるなど、工夫があるんですよね。

1番、2番、3番あたりは簡単なので両ページに問題を載せていますが、4番以降は必ず右ページに余白を十分確保して、書き込んでもらえるようにしています。問題の読み取り間違いはかわいそうですので、正確さと、長すぎないことを心がけています。

受験生は最後まで手をつけていますか?

作る方の気負いもあるので、最後の問題などはやけに難しい年もあるんです。年によっては、最後の問題が難しいから、途中の問題をカットすることもあるので、もしかすると、「この問題は合否にかかわらないのでは?」と思っている受験生や塾の先生もいるかもしれませんが。それでは一生懸命作っている意味がないので、最後まで読んで、考えれば解ける問題を心がけています。最後の問題まで手をつけた子が、合格に近づけるような問題を作りたいと思っています。

解答用紙

インタビュー 1/3

桐朋中学校

桐朋中学校1941(昭和16)年、財団法人・山水育英会(山下汽船社長の山下亀三郎の基金を基に設立)を母体に第一山水中学校を創立。戦後、山水育英会を解散して桐朋学園を組織、47年桐朋第一中学校とする。翌年に高校が発足し、桐朋中・高等学校と改称した。現在は同じ敷地に小学校から高校までがある。

一人ひとりの生徒を、豊かな心と高い知性をもつ創造的人間として育成することに力を注いでいる。真に有為な良き社会人になるために、地球的視野に立ち、自立した人間として、自己を生かすとともに他者を生かす、このような人間形成を目指しているのが21世紀の桐朋教育。よって教育目標は、「自主的態度を養う。他人を敬愛する。勤労を愛好する」である。

一橋大学を中心とした国立の文教地区にある。自然林の緑に囲まれた2万3千坪の敷地に校舎がゆったりと建つ。LL教室、理科実験室、プラネタリウム、音楽・美術室など充実した特別教室のほか、図書館、視聴覚室、食堂も完備。体育館、プール、グラウンドなど運動施設にも恵まれている。4万5千冊の蔵書をもつ図書館は、すべてコンピュータで管理。

先取りは数学だけにとどめ、オリジナル教材やプリントを使いながら系統的に理解し、思考力と表現力を伸ばす指導が特徴。英語は『プログレス21』BOOK1~3を使う。英語は外国人教師による会話練習や海外とのEメール交換、理科は実験・実習、社会は社会科見学などで理解を深めている。習熟度別授業は高校の英語総合、数学などで実施。中1から夏休みや平常時に指名制補習もある。テーマ選びから始める夏休みの自由研究も大きな成果を上げている。外進生とは高1で混合。高2から文系・理系のクラス分けはぜず、選択科目で自分に合った学習をする。

「行事は生徒が創る」という方針で、修学旅行、遠足、運動会、学園祭など多くが生徒の企画・運営で行われている。自主性尊重は進路指導にも生かされ、在卒懇と呼ばれる懇談会で、卒業生に仕事選択の動機などを聞く。高2の在卒懇では大学の学部の内容やその選定のアドバイスを聞き、高3での大学選択につなげる。クラブ活動も盛んで中学生は9割の生徒が加入。サッカー、バスケットボール部などの活躍は有名。特にサッカー部・バスケットボール部は中高とも都内トップレベル。陸上競技、野球、オリエンテーリング、将棋なども優秀な成績を収めている。高校は制服なし。

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