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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2009年 江戸川女子中 【理科】

江戸川女子中の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3. 理科は理屈がわかってこそおもしろい教科

「興味関心を引き、『理科は楽しい』と思ってもらう」

中1・中2の2年間は、中高の学習の入口としてひたすら興味関心を引くような授業を心がけ、多くの実験や観察に取り組むことを重視しています。理科室の実験台は六角形になっていて、グループ実験に適しています。

高2からは大学受験モードに切り替わりますが、このとき、与えられたことをこなしていくのではなく、理科が好きで興味関心をもって自発的に取り組む姿勢を自らつくらなければ、とても対応できません。これは理系で大成する素質の1つだろうと思います。

本校は女子校としては理系を選択する生徒が多く、8クラス330人中、100人が理系志望です。資格志向が強く、漠然と大学に進学するのではなく目的をもって進学しようという意識があるようで、根強い人気があります。

だからこそ、中1・中2では「理科は楽しい」と思ってもらえるように、各教員がそれぞれ工夫しています。板書で説明するだけでなく、演示実験でやってみせたり、生徒自身がやってみる機会を多く取り入れています。

授業では見た目におもしろそうなものを取り上げるようにしています。色が変わっただけでも生徒は驚きます。最初に難しい理屈を説明しますが、それを実際に試して見せることで、「本当にそのとおりだった」と納得できるとおもしろくなっていくのではないでしょうか。

江戸川女子中

「レポートの考察は自分の言葉で書く」

実験後は必ずレポートを提出してもらいます。高2からは、実験のデータから分析できるように指導します。「色が変わった」で終わらないで、実験結果から考察させる課題を与え、大学受験に向けて理解を深めていきます。

レポートで重視しているのは「自分の言葉で書く」ことです。教科書に載っていることをそのまま書くのではなく、「なぜ、そうなったのか」を自分の言葉で説明できることを求めます。

実験では予想していたような結果が出ないこともあります。その原因は途中の操作を間違えたのかもしれません。そのようなときは、ほかの班のデータと突き合わせるなど実験データを見直してもらいます。そうすると概ね原因が見えてきます。データの記録は当たり前のことですが、基本的なことなので、高校ではそうしたこともきちんとできるように指導しています。

江戸川女子中

「身の回りの出来事と結びつけて考え、イメージ力を高める」

高校になると、とくに物理・化学は視覚的にイメージしにくくなります。化学反応は、見た目に色が変われば反応が進んでいるとわかりますが、目で見えないことを化学式で表さなければなりません。ここでつまずく傾向があります。

力学で物体にはたらく力を矢印で示すと、得意な生徒は自分で矢印を書けますが、苦手な生徒はなかなか書けません。物体にはたらく力は目に見えないので、感覚的に理解できず、イメージできないのでしょう。すると中学で楽しかった理科が途端に難しく感じてしまう。そうならないように、できるだけ身の回りのことと結びつけて考えるように指導しています。理科の教員の役割はそれに尽きると思います。

高校の物理で、天秤のつり合いは「力の大きさ×作用線までの距離」という力のモーメントの式で表されます。つまり、「重さ×距離」が左右同じなら天秤はつり合うというだけのことなのですが、これを「モーメントがつり合う」という教科書の説明で、いきなり文字式で理解しようとするのは無理があります。まず、小学校や中学でやってみたように、実際の天秤を使って左右がつり合うことを見せて、「重さ×距離」の力のモーメントを理解させる。こうしてみせると理解のハードルが低くなります。

高2以降の物理・化学はやってみせることに限界がありますが、可能な限り理屈づけができるように指導しています。

「理屈づけて考える力を身につけてほしい」

たとえば作用・反作用の法則で、地面に立っていると、地面を押すと同時に地面からも押されているのだけれど、それがどうもわからない。自分の感覚と合わないことが受け入れにくい生徒は、いちいち引っかかって思考が前に進まないのでしょう。逆にイメージできる生徒は、自分の感覚と合う・合わないに関係なく、受け入れられる柔軟さがあるのかもしれません。とくに物理はそれがはっきり表れます。

「なぜそうなるのか」という理屈を理解せずに暗記しようとしても限界があります。理科はとにかく理屈づけて考えられること。原理を理解し、それをいかに当てはめて考えられるかが重要です。理屈がわかると理科はおもしろくなってくると思います。理科で培われた論理的思考は、目の前の大学受験に限らず、将来においても役立つはずです。

インタビュー 3/3

江戸川女子中学校

江戸川女子中学校1931(昭和6)年創立の城東高等家政女学校が前身。48年に江戸川女子高等学校を設立、87年に中学校を再開。千葉県には併設の江戸川大学、江戸川短期大学、江戸川大学総合福祉専門学校がある。茨城県の江戸川学園取手中学校・高等学校は姉妹校。

「教養ある堅実な女性の育成」を建学の精神とし、誠実・明朗・喜働が3つの柱。最終目標は『自立する女性』で、自分で考え、調べる力を育んでいる。学校全体がひとつの家族のように先生と生徒が親しみ、敬愛し合って温かい愛情を育て、そのなかで人間的向上を目指す。また、年々強まる4年制大学志向や理系志向に対応する積極的な学習指導もあり、進学実績は堅調。

中世ヨーロッパの古城を基本的コンセプトにした、夢のある欧風建築の校舎が自慢。最新の設備を備えたパソコン教室、図書室、自由に弾けるピアノスペース、アトリエ、プラネタリウムにもなるダンススタジオなどがある。笑顔があふれる中庭(パティオ)は、人気ナンバーワンである。徒歩10分の江戸川河川敷には専用グラウンドがあり、トレーニングルームなども揃っている。

1コマ65分授業、2期制を導入して、早い時期から先取り学習を実施。英語の教科書に『プログレス21』をBOOK3まで使用し、英会話は2分割授業を行うなど非常に力を入れている。中学の月曜5時限目は、隔週で英・数の補習を行なっている。高1からは英語科、普通科II類(難関私大コース)、普通科III類(国公立大コース)に分かれ、高2では高入生と混合したうえ英語科以外はそれぞれ文系・理系を選択する。補習・補講体制も充実。徹底的に鍛えられた英語力を背景に大学合格実績は高位安定で、最近では、理系志望者が増加。 通常の授業以外にも、中学では特別教育活動として茶道・華道・箏曲を行い教養を身につける。さまざまな海外研修プログラムも用意され、高校の修学旅行は英語科がニュージーランドかイギリス(約3週間)へ、普通科がカナダ(8泊9日)へ行く。また中3希望者対象のブリティッシュヒルズや高1・高2希望者対象のホームステイ(イギリスやオーストラリア)などで、異文化体験を満喫できる。クラブは運動系12、文化系22あり、ソフトボール、剣道、サッカー、バトン、放送、吹奏楽、美術部などが都大会や全国大会で優秀な成績を収めている。校外学習、文化祭をはじめ行事も盛りだくさん。高1の発表会では、ベートーベンの「第九」を原語で合唱する。

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