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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2009年 獨協埼玉中 【社会】

獨協埼玉中の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3. 調べる、まとめる、書く、発表する帰納的手法を身につける6年間

「中学は体験重視で土台づくりに力を入れる」

中学で学習する地理・歴史・公民が高校以降の土台となるので、中学の段階では第一に基本的な知識を身につけることに重点を置きます。数学や英語は高校の内容を先取りしますが、社会科や理科はいま学習している内容の延長線上で、必要に応じて高校の内容に触れるというスタンスです。

授業では生徒が「楽しい」と実感できること、やってみて「おもしろい」と思ってもらえるように心がけています。高校になると受験を見据えてどうしても余裕がなくなります。だからこそ、中学で興味関心がもてる何かを見つけられるように、知的好奇心をくすぐるようなシカケをつくっています。

社会科/田口淳先生

社会科/田口淳先生

「総合学習を通して地域との関わりが深まった」

本校ではフィールドワークを積極的に取り入れています。中1の総合学習は「ネイチャーステージ」として、学校前の田んぼを借りて、農家の方にご指導、お手伝いいただいて田植えから稲刈りまで体験します。途中経過を観察し、収穫した米でおにぎりを作って試食、さらにわら縄づくりにも挑戦するという年間を通した取り組みです。

ここまでするのは、わかっているようで実はわかっていないことが多いからです。生徒たちが見ているのは白いごはんだけ。この白いごはんがどのような過程を経て食卓に上がるのか、結びついていないと感じることが多い。中学生は素直に感動するので、この時期に体験を多く取り入れたいと思っています。

米作りを通して農家の仕事や苦労を知るとともに、この体験を社会科の授業にフィードバックします。日本の食料自給率や日本の農業や世界の農業、さらには自分の食について、実体験を踏まえて教科書の内容と結びつけて考えます。

中2の総合学習は「コミュニティーステージ」として学校がある越谷市について学びます。越谷市の地場産業として発展した越谷ダルマについて学び、組合の方のご指導でダルマの絵付けを体験します。このほかにも、ひな人形やせんべい、たんすといった地場産業の工場を見学します。市内を1時間以上歩いて回りますが、足で稼いだ情報は実感と結びついて価値があると思います。こうして越谷の歴史を知った上で、夏休みには自分が住んでいる地域の歴史について調べ、レポートにまとめてもらいます。

本校では総合学習を有効活用できていると思います。中学を開校して大きく変わったのは、総合学習を通して地域とのつながりができたことです。地域の中学校だからこそ、多くの方に協力していただいていると思います。

「実体験で知識偏重に陥らない」

中3の総合学習は「ボランティアステージ」として福祉について考えます。近くの埼玉県立大学にご協力いただいて福祉の講義と実習を行います。元気であれば歩道の段差は気になりませんが、それはすべての人に当てはまるわけではありません。高齢者や妊婦の疑似体験によって、生徒は初めて当たり前ではないことに気づき、感謝の気持ちをもつようになります。

実習後、実際にボランティアをしますが、生徒自身でボランティア先を探します。教員は一切関わりません。いまの子どもたちは、自分でアポイントを取ったり、自分の考えを伝える機会が少ないので、いい経験になっています。中3になったら、できるだけ自分で考えて行動できるようになってほしいと思っています。

「お年寄りの話し相手をしたら、とても喜んでもらえた」といったささやかな経験が、社会福祉を考える入口になります。中学では実体験を土台に、知識偏重にならないように心がけています。その中で興味関心をもてる何かに出合えるように、生徒自身で見つけられる環境をつくりたいと思っています。

社会科主任/高田晶子先生

社会科主任/高田晶子先生

「まとめる力を養う『新聞レポート』」

中学では調べ方やまとめ方のノウハウの習得をめざします。授業では必ず調べ方のガイダンスを行います。本校は図書館の蔵書が約5万3000冊あり、2名の司書が対応しています。学校の図書だけでなく地元の公立図書館を使うことも教えます。

中3の授業では新聞を教材に使い、授業の内容に合わせて課題を定期的に出します。コラムや投書欄のような比較的取り組みやすいものから入り、徐々に政治経済の記事を扱うようになります。記事の要約や用語の意味調べを行い、自分の考えをまとめます。

テレビ欄かスポーツ欄しか見なかったのが、新聞全部をめくって眺めるようになり、経済の記事が何面にあるかがわかってくる。そうして全体を読めるようになればいいと思っています。すると、「いま、こうしたことが話題になっているのだな」と情報感度が上がっていきます。

生徒だけの力で理解できなかったとき、家族でその話題について話をしているのは非常に生徒の力になっています。保護者の方にもできるだけご協力いただくようにしています。

「中学3年間の努力が高3で花開く」

中3は、中学3年間の集大成としての卒業論文のほか、総合学習のレポートや、年10回程度の新聞のレポートなどがあります。社会科だけでもかなりの量ですが、他の教科の課題もありますから、生徒はよくこなしていると思います。

あるとき、高3の地理の授業で、中高一貫生がプレゼンテーションを抵抗なくやってくれました。レポートもきちんと提出する。現場の感覚ですが、これは中学での地道な努力の成果だと感じました。コツコツ取り組んできたことがこうして成果として表れるのは、指導している教員にとっても心強い。中高一貫の生徒が高校を卒業したのは、今春でようやく3期目です。今後は6年間の成果を中学での指導に活かしたいと思います。

獨協埼玉中

「高大連携の『獨協クラス』を新設」

2008年度から、獨協大学への進学を前提とした「獨協クラス」を新設しました。高大連携の独自のカリキュラムで、高3の社会科の授業のひとつでは実社会の諸問題について、1年間ひたすらグループディスカッションを行います。討論は事前の準備に手間と時間がかかることもあり、ふだんの授業に組み込むのはなかなか難しい。授業で討論が頻繁にできるのは、「獨協クラス」のように大学受験に縛られず、学校独自でカリキュラムをデザインできる自由度があればこそです。

また年間20冊の読書課題についてレポートを提出するなど、教養教育にも力を入れています。最後には16000字の小論文を書き、大学の教授陣を前に発表するという難易度の高い課題が出されます。まだまだ実験的ではありますが、受験的な知識にとらわれずに教養主義を追求していきます。これは教員にとってもやりがいがある取り組みです。

インタビュー 3/3

獨協埼玉中学校

獨協埼玉中学校1881(明治14)年にドイツを主としたヨーロッパ文化を学ぶことを目的とした獨逸学協会としてスタートし、以後120年間のうちに獨協大学、獨協医科大学、姫路獨協大学、獨協中学・高校を有する総合学園に発展。獨協埼玉高校は1980(昭和55)年に開校。2001(平成13)年に待望の中学校が開校した。
都内と違い、まだまだ多くの自然が残る環境のなか、約8万m2の広大な校地をもつ。300mトラック、サッカー・ラグビー場、図書館棟、和室棟などがある。中学開校に伴い、中学の校舎を新築。普通教室のほか、カリキュラムで使い分ける選択教室が8教室、250名収容の多目的ホールや、各階の談話コーナーのほか談話室を兼ねた食堂もあり、弁当、パンや飲み物を販売する売店も備えている。
地域の農家の協力を得て田圃でイネを育てたり、ボランティア活動や地域学習を通じて、頭だけでなく心を育てる指導をしている。
併設大はあるが、他大学進学へのウエートが大きい。英語は中1では週6時間のうち4時間は外国人教師と日本人教師による交互授業で、1クラス2分割の少人数制。数学は中2・中3で習熟度別・少人数の演習授業、高校の英・数は習熟度別・少人数授業。指名制・希望制の補習が放課後あり、定期考査後や、学期末にも特別補習を実施する。中3で卒業論文に取り組む。毎日10分間の朝学習では、読書、新聞、学習チェックの3つの内容で行われる。伝統のドイツ語は高1から自由選択科目となる。外進生とは高2まで基本的に別クラス。
中学のクラブの活動日は週4日で、完全下校を中1は5時に設定。運動部は陸上、軟式野球部など13、文化部は吹奏楽、演劇部など7、文芸、サイエンスなど7つの同好会がある。授業のほか体、心を鍛える総合学習プログラムがあり、中1では農家の協力を得て稲を育てるネイチャーステージ、中2では地域の歴史・文化を調べるコミュニティーステージや、ブリティッシュヒルズでの「英語ですごす3日間」を体験するコミュニケーションステージ、中3ではボランティアステージなどが用意されている。学校行事は、文化祭、修学旅行、マラソン大会など多彩。希望者対象に中3はニュージーランド、高校はカナダ語学研修、オーストラリア・ドイツとの国際交流がある。

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