携帯用カイロは、鉄が空気中の酸素と結びつくときに発生する熱を利用したものです。携帯用カイロは、空気を通さない外袋と、空気を通す中袋からできていて、中袋の中に鉄の粉末が入っています。使う前は空気とふれないようになっていますが、使うときに外袋を開けると、鉄の粉末が空気中の酸素と結びついて熱が発生します。
実験では、ペットボトルの中に携帯用カイロの中身を入れ、フタを閉めてふっているので、鉄の粉末が空気とよくふれ合い、酸素と結びつきます。また、空気の体積の約5分の1(約20%)が酸素であることから、ペットボトル内で鉄と酸素が結びつくと、空気の体積の約5分の1が減ります。また、地球上では、大気圧と言って空気がものを押す力が働いています。実験を始める前は、ペットボトルが内側と外側から同じ大きさの力で押されているため、ペットボトルは変形しません。しかし、実験後は、ペットボトル内の空気の体積の約5分の1が減り、ペットボトルの内側からペットボトルを押す力が小さくなるので、ペットボトルはへこむと考えられます。
また、鉄が酸素と結びつくときに発生した熱で、ペットボトル内の空気があたためられて体積が増え、ペットボトルが膨らむと考えることもできます。しかし、この場合は、発熱しなくなってしばらくすると、ペットボトル内の空気は冷えて体積が減り、ペットボトルはへこむように形が変化すると考えられます。問題文中に「しばらくするとペットボトルが変形し、冷めても変形したまま元の形にはもどりませんでした」とあるので、空気の体積変化によってペットボトルが変形するという考え方はふさわしくないと考えられます。
したがって、この問題では、空気中の酸素が鉄と結びついたため、ペットボトル内の空気の体積が減ってへこんだと考えるのが、もっともふさわしいと考えられます。
身の回りの現象や実験の結果について、「なぜそのようになるのか」という原因や理由を明らかにしながら考える力は、理科ではとても大切です。この問題は、携帯用カイロとペットボトルという、身の回りにある素材を使った実験で、酸化に関する考え方を使って、実験の結果を予測する力を試しています。
この問題を解答できた生徒は、身に付けた知識や考え方を状況に合わせて活用し、現象を道筋を立てて考え、その考え方を正しく表現することができる子であると思われます。
このような理由から、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことに致しました。
日能研による解答と解説
携帯用カイロは、鉄が空気中の酸素と結びつくときに発生する熱を利用したものです。携帯用カイロは、空気を通さない外袋と、空気を通す中袋からできていて、中袋の中に鉄の粉末が入っています。使う前は空気とふれないようになっていますが、使うときに外袋を開けると、鉄の粉末が空気中の酸素と結びついて熱が発生します。
実験では、ペットボトルの中に携帯用カイロの中身を入れ、フタを閉めてふっているので、鉄の粉末が空気とよくふれ合い、酸素と結びつきます。また、空気の体積の約5分の1(約20%)が酸素であることから、ペットボトル内で鉄と酸素が結びつくと、空気の体積の約5分の1が減ります。また、地球上では、大気圧と言って空気がものを押す力が働いています。実験を始める前は、ペットボトルが内側と外側から同じ大きさの力で押されているため、ペットボトルは変形しません。しかし、実験後は、ペットボトル内の空気の体積の約5分の1が減り、ペットボトルの内側からペットボトルを押す力が小さくなるので、ペットボトルはへこむと考えられます。
また、鉄が酸素と結びつくときに発生した熱で、ペットボトル内の空気があたためられて体積が増え、ペットボトルが膨らむと考えることもできます。しかし、この場合は、発熱しなくなってしばらくすると、ペットボトル内の空気は冷えて体積が減り、ペットボトルはへこむように形が変化すると考えられます。問題文中に「しばらくするとペットボトルが変形し、冷めても変形したまま元の形にはもどりませんでした」とあるので、空気の体積変化によってペットボトルが変形するという考え方はふさわしくないと考えられます。
したがって、この問題では、空気中の酸素が鉄と結びついたため、ペットボトル内の空気の体積が減ってへこんだと考えるのが、もっともふさわしいと考えられます。