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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2008年 渋谷教育学園渋谷中 【理科】

渋谷教育学園渋谷中の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1. (入試問題)問題の流れに沿って考えられれば正解に近づける

「設問の誘導にうまく乗ろう」

問4の「もやもや」の現象(シュリーレン現象)を小学生が見たことがあるかというと、ほとんどないでしょう。身近なところでは、アイスコーヒーやアイスティーなどにガムシロップを入れると「もやもや」を見ることができます。

見慣れないタイプの問題でも、順を追って解いていき、問題の流れに沿って考えることができれば答えられると思います。問3の「食塩水で作った氷が水に沈むのはなぜですか」では、選択肢で体積と重さについてふれています。どうやら問題[2]は密度が関係していそうだと推測できれば、正解に近づけるでしょう。本校の入試問題は、設問で誘導し、知識を活用させる形式になっていますから、見慣れない問題でも読み込む力があれば対応できると思います。

理科/野中克彦先生

理科/野中克彦先生

「密度と光の屈折をつなげて考えてほしかった」

図のように氷の食塩水を水中につるすと、外側からとけはじめます。食塩水はまわりの水に比べて密度が高い(体積あたりの重さが重い)。ここまでは受験生の半分以上が書けていました。

本当は、光の屈折までたどりついてほしかったのですが……。「氷がとけた食塩水と水とでは、密度が違う。だから光の屈折率も違うので「もやもや」して見えた」、まで答えられたのは全体のわずか5、6人でした。小学生にはさすがに難しかったようです。「濃さがちがうから」など、こちらが求めているものに近い解答はできるだけ拾い上げるようにしました。


「理科でも読解力は大切」

不正解で多かったのは、「もやもや」した流れを「対流」で説明した解答です。受験生は自分がもっている知識を使って、どうにかして解こうとしたのでしょう。確かに、熱いお湯と冷水ほど温度差が大きいと、同じ物質同士でも密度が異なるので屈折率も異なって「もやもや」が見えます。ですが氷と水の温度差では、はっきりと「もやもや」は見えません。設問の流れから、解答のキーワードが「密度」であると気づくことができたかというのも、正解・不正解の分かれ目になったかもしれません。

本校の理科の入試問題は理科としては問題文が長く、大変かもしれません。それでも問題文や設問、選択肢に解答のヒントがありますから、ふだんからよく読み込むようにしましょう。


「キーワードを押さえ、論理的な説明力が向上」

本校では理科の記述問題を早くから出題しており、問題数も5、6問と多めです。それは、他教科同様、自分の考えを説明できる力を見極めるためです。1996年の開校から数年間は記述問題や計算問題が空欄の解答が結構見られましたが、今では確実に埋めてきています。理科の記述問題ではキーワードを押さえているかが大事ですが、その点もしっかりできている受験生が増えています。

最近では論理性も身についていると感じます。キーワードが入っていても結論が逆ではいけませんし、「なぜ、そうなるのか」の根拠が抜けていては説得力がありません。「○○だから、××になる」のように、自分の考えをきちんと伝えられるようになっており、力がついているなと思います。

理科/野中克彦先生

理科/野中克彦先生

「問題の素材は身近な現象がテーマ」

食塩水で氷を作る問題をはじめ、ボールペンで線が引けるしくみ(シリーズ2006年7月版)や、蚊取り線香とろうそく、バケツとぞうきんの置き方など、例年、身の回りにあるものを取り上げることを意識しています。これは本校のテーマでもあり、日常生活で体感していることをできる限り取り上げるようにしています。この問題は、ふつうは水に浮かぶ氷をあえて沈めてみたらおもしろいのでは!?とひらめき、小学生に身近な食塩水を用いることにしました。

ふだんの生活で、「なぜだろう?」と思ったことを積極的に調べてみましょう。たとえば、天気予報で台風が接近していると知ったら(※取材は5月13日。台風2号が日本に接近)、5月に台風が接近するのは珍しいのではないかという疑問から、過去5月にどれだけ台風が接近しているのかを調べてみる……といったアクションを起こしてくれたら、うれしいですね。それこそ本校の教育理念である「自調自考」の実践です。


「過去問の実験をやってみよう」

過去問は問題を解くだけでなく、実際にやってみてほしいですね。私も作問にあたり食塩水の氷を作ってみましたが、なかなかできなくて苦労しました。濃度を調整してようやく氷ができたときは、素直に喜びましたよ!基本的に実験は実際にやってみて確かめています。

理科では感動する心も大切です。「すごいな」「おもしろいな」という率直な思いが興味・関心をかき立て、「もっと知りたい」という意欲につながります。身の回りの現象を取り上げていますから、家庭でもできると思います。本当に書いてあるとおりになるのか、試してみてください。食塩水を凍らせると、水だけのようにガチガチした氷はできません。そんな発見もあると、理科がより楽しくなると思います。

インタビュー 1/3

渋谷教育学園渋谷中学校

渋谷教育学園渋谷中学校教育理念の「自調自考」とは自分で調べ判断し行動する精神。主体は常に自分にあり、能動的思考行動による自己実現を目指す。一生懸命取り組むだけでなく、その過程での"なぜ"を常に考える。カリキュラムはA基礎基本、B自己理解、C自己実現の3ブロック制。各段階の成長過程に応じ明確な目標をもたせている。国際感覚を磨くため、隣接するブリティシュ・スクール・イン・東京との交流あり。

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