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出題校にインタビュー!

2007年 湘南白百合学園中 【国語】

湘南白百合学園中の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1. 記述は事柄と理由に分けて構成すると、間違いの少ない伝わる文章になる

「ふだんの生活ぶりがわかる解答を期待」

この問題は、受験生がふだんどんなことを思っているか、どんなふうにすごしているかを知りたいと思って出題しました。このように生活に密着した具体的なことを出題できるのは、国語ならではでしょう。自分の意見を書く記述問題は本校の入試の特徴の一つですが、これは国公立大学の二次試験を見据えての出題です。作問は小学生の生活体験から逸脱しないように気をつけています。

採点基準は、「体験例」と「理由」が書かれていること、その体験例が条件に合っていて、理由と整合性がとれていることです。動物や植物の解答は少なく、ふだん目にしている自然の景色についての解答が目立ちました。たとえば塾からの帰り道の風景を取り上げ、「家の灯りを見るとホッとする。家族のところに帰ると思うと心がなごむ」といった解答からは、子どもの日常の様子が伺えます。

「自然の景色」といっても、景勝地のような特別な場所でなくても構いません。流れる雲の様子、帰り道の草花、ふと見上げた月……ふだん目にしている景色でいいのです。ただし、人物だけの記述は減点しました。

ニュースで報道されたためか、アスファルトの隙き間から生えてきた“ど根性野菜”についての解答が多く見られました。条件に合う事柄を瞬時に思い出せる“瞬発力”は評価できますが、ステレオタイプ的な解答であるとも言えます。ふだんの生活ぶりが見えてくるような解答が少なかったのは残念でした。

国語科・広報部長/柳宣宏先生

国語科・広報部長/柳宣宏先生

「事例と理由に分けて組み立てるとわかりやすい」

解答のカギは、条件に合う経験を即座に思い浮かべられるかどうかです。経験したことが心のどこかに残っていなければ、思い浮かべることはできません。それは教科書からは学べません。「きれいだな」と、自分の内面で“感じる”自発的なものでなければ心には残らないからです。ふだんの生活を大切にすごしてほしいというのは、感受性を大切にしてほしいという思いからです。

記述問題を出したばかりの頃は白紙の解答がありました。「あなたは~」という問い方に戸惑ったり、理由がうまく書けそうもないと諦めてしまったのでしょう。ですが、記述は部分点がありますから、事柄だけでも点数がもらえます。「こわがらないで書いてください」という本校のメッセージが伝わり、今では白紙は皆無です。記述式を出題するようになってから書くチカラのある生徒が増えましたね。

記述の解答は一文で書いてしまわないこと。文章が長くなると主語・述語の関係がねじれやすいからです。この問いの場合、事例と理由に分けて書くとわかりやすい文章になります。思いついたことを「忘れないうちに書かなければ」という受験生の心理もわかりますが、おかしな日本語になっている解答も見られました。そうしたミスは、文章を切ることでかなり防ぐことができます。

湘南白百合学園中

「記述問題で想像力や表現力を見極める」

国語の入試問題は、漢字や語彙などの基礎的知識の問題と、小説と説明文(エッセイ)で構成しています。基礎知識ももちろん大切ですが、想像力や表現力を見極めるためには記述問題が有効です。
大問5は問7以外にも記述問題を出しています。問4は語彙の豊かさ、さらにはある事柄に関連する別の事柄を連想できる類推力を見るために出題しました。類推力は高度な問題を解く際に必要なチカラです。難しいだろうとは予想していましたが、やはり正答率は低かったですね。

逆に、予想以上に正答率が高かったのが大問4(小説)の問6です。主人公の気持ちの変化を書かせる問題ですが、「時間の経過にしたがって」という条件をヒントに、順を追って書くことができた受験生が多かったですね。

「素材文は大人のセンスでテーマが貫かれた小説を選ぶ」

入試問題の素材文は、日常的に新刊を読んで情報収集しています。小説は年齢的に子どもの目線に近い若手の教員が候補を集めます。素材文に、あさのあつこさん、重松清さんや森絵都さんの文章がよく取り上げられるのは、大人のセンスでテーマが貫かれているからでしょう。本校が今年取り上げた小説も、主人公は少女ですが、作者(大人)の考えが文章中に織り込まれているので問題が作りやすい。完全に子ども目線で書かれた児童文学は作者の考えが書かれていません。正解の根拠がテキストにないので作問しにくいのです。入試の素材文選びはいつも苦労しています。

インタビュー 1/3

湘南白百合学園中学校

湘南白百合学園中学校カトリック精神に根ざした世界観・道徳的信念を養い、神のみ前に誠実に生き、人としての品位を重んじ、愛の心をもって社会に奉仕できる女性の育成を目指す。

豊かな心を育てるため、宗教や音楽教育に力を注ぎ、全員ラテン語でミサ曲を歌う行事もある。白百合の花にちなんだ校名と校章は、聖母マリアの清純さ、優しさ、凜とした強さを象徴している。しつけが行き届き、礼儀正しいながら明るく活発な生徒が多い。

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