
日能研教務部算数科 真藤 啓
「算数エッセー『算数学入門』」です。
一回読むだけでたちまち夢のように算数ができるようになる、……というものが書けないかなあと思いながら書いていこうと思います。
国内の大学入試やその他の試験、近隣諸国の小学生の問題、文科省の動向など、受験算数の根っこの部分とか背景とか流行といったものがしっかりわかるようにすることを漠然と目標にして、思いつくまま書いています。
算数は、何もかも人から学ぶということでは面白くないですし、しっかり身に付かないと思います。
かといって、全く自分ひとりだけで考えようとすると、途方もなく時間がかかりますから、兼ね合いで学ぶのがよいでしょう。
本稿をざっと読んで、これを参考に自分でもちょっと考えてみると、確実に力がついてくると思います。
また、『キッズレーダー(日能研)』に書いている「おいしい算数」の補足などについても引き続き述べたいと思います。
答えが求まったとすると
ともひろは小学五年生で日能研海浜幕張校に通っています。さやかは渋谷教育学園幕張中学二年生で、ともひろのお姉さんです。
ともひろは、日能研から帰ってきてからも毎日十二時までは学習をします。塾では別にそんなにしろとは言いませんがそうは言ってもともひろには受けたい学校があるのです。渋谷教育学園幕張中(以下渋幕中)です。渋幕中を学校訪問してここに通いたいと思うようになりました。渋幕中の問題は粘り強く何時間もかけるとたいてい何とか解けたりするのですが、何しろ時間がかかりすぎています。この調子でやっていて合格点が取れるようになるのかがとても不安でした。
姉のさやかに聞くと、ともひろがどこで悩んでいるかに無頓着にすらっと解いてしまうので、ともひろとしては教えられた後、そのことをその次からは自分で気がつくように納得できるまで考えるようにしています。この日は、下の問題について、質問しました。
問題
(2011年 渋谷教育学園幕張中5番)
さやかの目線が忙しく問題の文章を追って、開口一番、「答えの点Pが求まったとすると、……」と言い始めました。

ともひろはおどろきました。それじゃあ、テレビで『水戸黄門』を見ているときに、始まったばかりで水戸黄門が死んじゃったようなものじゃないかと思ったのでした。
「答えの点Pが求まれば、それでもう終わりじゃないの」とともひろは言いました。
中心線の交点では?
さやかは「うるさいわねえ黙って聞きなさいよ」という気持ちを抑えて、「もうちょっと聞いていてね。」と言って、クローバー模様のついた、対応する頂点を結ぶ、二対の線分の垂直二等分線どうしの交点にPと書き添え、鉛筆でPを指して「はい、こうなるわ」と、ともひろに見せました。
「むむむ」
これはともひろにも理解ができました。理解はできましたがどうにも気に食わないのです。自分一人ではそのようには思いつかないと思ったのです。

自分ならどう考えるべきか、できたとするとなんてずるいような考えをするのではなく、もっと正々堂々と、たとえば、縦の中心線どうしの交点で考えるとかはどうだろう。
考えてみると、だんだんこれでもいいような気がしてきました。
「お姉ちゃん、縦の中心線どうしの交点でもいいんじゃないの」
さやかは、「素直じゃないわね」と思いましたが優しく教えてあげようと思いました。図形の重なりの不動点について、「西山の定理」という便利な解法を知っていましたので、ともひろの解法が正しくないということには確信があり、まもなく、なんとか簡単な説明に気づきました。
「もし、ともひろの解法が正しいとすると、……」と言って、さやかは、ともひろの顔色をチラッとうかがいました。ともひろは「背理法だな」と思いながら真剣に聞いています。

さやかは続けます。「このように一方の正方形を中心軸を共有させたまま移動させた図でも、Pは同じ位置になってしまうわ。」と言いました。

「あ、そうか」
元の図をずらせば、回転の中心だってそれに合わせて動かすべきだ、でないとそのままずれたまま回転してしまって重ならない。
ともひろは残念そうに「やはり、2本の線分の垂直二等分線の交点として求めるしかないのか」と言いました。
さやかは、ともひろの解法に刺激され西山の定理を簡単に図解できないかと考えました。平行線を回転移動したとき対応線どうしの交点を結んだ直線は回転の中心を通ります。

「わかったわ☆」
このことを正方形の二組の平行線に当てはめれば、コンパスを使わずに回転の中心が求められます。さやかはちょっと前まで自分自身が西山の定理の証明を知りませんでしたが、ともひろの質問にあれこれ考えているうちに思いついたのでした。

そうして、人に説明することが自分の考えをはっきりさせて自分の理解が深くなることを知り感動しました。そして、「ありがとう、かわいいともひろ」とつぶやきました。



付記 西山氏の定理
概要
合同変換の不動点正方形ABCDの上に合同な正方形A'B'C'D'が任意に重なっているとき、これらを重ね合わせるための中心は、合同変換における不動点となる。この不動点は図1のように辺ABと辺A'B'の交点をP、辺CDと辺C'D'の交点をQ、辺BCと辺B'C'の交点R、辺DAと辺D'A'の交点をSとするとき、直線PQと直線RSの交点Fが不動点となる。
直線PQと直線RSは直交している。
ユークリッド幾何学による不動点の作図法では、コンパスと定規を用いるが、西山氏による方法は定規だけで作図できることに特徴がある。
合同な正方形の場合は、不動点の数は4個あり、この4個の不動点は一直線上に並ぶ。
合同な円が任意に重なっているとき、これらを重ね合わせるための中心(不動点)は、2つの円の交線上の任意の点となる。
ランダム・ドット・パターン
不動点が見える西山氏の定理が発見されるヒントとなったのは、ランダム・ドット・パターンである。
1辺が20センチの正方形内に、約2000個のランダムな点群をプロットする。
このパターンを透明なOHPシートに焼き付ける。
元のパターンの上に、OHPシートを重ね、OHPシートをわずかに回転させる。
一瞬、同心円が浮かび上がってくる。
この同心円の中心は唯一、動かなかった点=不動点であり、不動点は2枚の正方形を重ねる回転の中心となっている。
夜空で北の空を眺めると、北極星は天体の不動点ともなっている。
証明
交わる2本の直線L1,L2があるとき、この2直線を重ね合わせるためには、回転の中心を、2直線の交点Pを通り、交角を2等分する線上にもってこなければならない。
平行な2直線L1, L2と幅が等しいもう一組の平行な2直線L3, L4が交わっているとき、重なりはひし形になり、2直線L1,L2を2直線L3, L4に重ね合わせるためには、L1とL3の交点と,L2とL4の交点を結ぶ直線上に回転の中心をもってくることである。
正方形の4辺を重ね合わせるということは、二組の平行な2辺をそれぞれ含む2直線を同時に重ね合わせることであるから、上記を2回適用すると、その交点が不動点となる。
―――以上ウィキペディアによる。
実は、「キッズレーダー」に書いた時点では、ウィキペディアに上の証明はなかったので、西山氏は「ランダム・ドット・パターン」を利用した証明法をなさったのではないかと思い、結構煩雑になると思い、ランダム・ドット・パターンの代わりに「平行線群」で考えるとうまくいき、結局、2本の平行線を2組考えてもうまくいき、これなら小学生にも届くかなと思い、「キッズレーダー」の記述のタイトルを「西山の定理」の初等的証明法としました。
現在は、私がキッズレーダーに書いたものとほぼ同じ趣旨のものが証明法として掲載されているので、「初等的」は不要だったのかもしれません。
で、ウィキペディアにあるなら、ここに書く意味があるかなとも思いましたが、ランダム・ドット・パターンで考えるよりも「平行線群」で考えるとわかりやすく、ほかの人が追実験しやすいと思い、またこの方法は次節で述べるように、相似変換の説明にも依然有効であると思われますので、一応載せておこうと思います。
「相似な平行線群」というものを考え、「2つの平行線群」を重ねると、対応線どうしの交点が同一直線上に並びますが、よく考えると当たり前でもありますが、小学生が見れば、これはこれで、神の声を聞いたような喜びが得られると思い、そして、当面、「相似な平行線群」というものを思考技法に利用した記述はウィキペディアにもないので書きます。
算数の中に「神の意図」のようなものが込められている感じがするという人もいますが、少しわかるような気もします。
これなどもそうですが、以前述べた「欠八数(チェパーシュウ)」の「清一色」「三位一体」「走馬灯」などに、何らかの意図のようなものを感じる人は結構おられるのではないでしょうか。
参考文献
算数自由研究2 「連一数」と「欠八数」の関係1 清一色 (本稿2011年11月号)
前節で正方形の合同変換における回転の中心の作図は、正方形を2組の平行線と見なす方向で初等的に証明されることを見ました。
ここでは、相似変換における作図法においてもそのまま拡張されることを同様に示したいと思います。
長方形は一方の辺に平行な平行線群の一部であるとみて、相似な平行線群を回転したとき、対応辺の交点は一直線状に並ぶことが確かめられます。この直線上に回転の中心、相似の不動点はあるのです。

長方形をもう一方の辺に平行な平行線群の平行線の一部であるとみて、相似な平行線群を回転したとき、対応辺の交点は一直線状に並ぶこの直線上に回転の中心(不動点)はある。

よって、回転の中心は求められる。

以上で、正方形や長方形などにおいて、合同な場合、相似な場合の回転の中心の作図を見ました。
では、一般の三角形(不等辺三角形)ではどうかというと2組の対応辺のなす角の2等分線どうしの交点となるという方法が使えると思いますが、あるいは、長方形で囲んで、その長方形どうしで考えるとか、平行四辺形で囲んでその平行四辺形どうしで考えるとわかりやすいでしょう。
西山豊(にしやまゆたか)氏
現職 大阪経済大学 経営情報学部 教授
略歴 1948年 滋賀県に生まれる
1971年 京都大学理学部数学科卒業
1971年~1985年 日本アイ・ビー・エム(株)にてシステムズ・エンジニアに従事
2005年 イギリス・ケンブリッジ大学客員教授、ミレニアム数学プロジェクト(MMP)に参加する
専門分野 情報数学、数理学
その他 日本ブーメラン協会名誉理事
ブーメランの研究と普及活動に熱心で、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで何度か紹介される。NHK総合「オモシロ学問人生」(1998年11月3日)がある。
日本ブーメラン協会(JBA)
朝日新聞社主催「第3回朝日創作おもちゃコンクール」審査員特別賞(1987年)
座右の銘 好奇心と探求
研究
所属学会 日本数学協会 (理事)
形の文化会
数学教育協議会
西山豊氏は『数学セミナー(日本評論社)』の人気コラム『エレガントな解法を求む』の出題者の一人です。
主要業績 著書
1) 『数学を楽しむ』現代数学社、2007年
2) 『自然界にひそむ「5」の謎』 筑摩書房、1999年
3) 『ブーメランはなぜ戻ってくるのか』ネスコ、1994年
4) 『人とヒトデとサッカーボール―生活の中の数理を解く』三省堂、1994年
5) 『電子体温計の研究―微熱や低体温で悩むあなたに』法律文化社、1994年
6) 『サイエンスの香り―生活の中の数理』日本評論社、1991年
7) 『話題源数学』(共同執筆)東京法令出版、1989年
8) 『くらしのアルゴリズム―情報処理の周辺』ナカニシヤ出版、1989年
9) 『卵はなぜ卵形か―生活の中に数理を見る』日本評論社、1986年
論文・記事・その他
『数学セミナー』(日本評論社)、『理系への数学』(現代数学社)、『数学教室』(国土社)、『数学教育』(明治図書)、『数理科学』(サイエンス社)、『無限大』(日本IBM)、『日本の科学者』(日本科学者会議)、『大阪経大論集』(大阪経大学会)、その他などに多数
西山豊氏のホームページ (大阪経済大学サイト内)
http://www.osaka-ue.ac.jp/zemi/nishiyama/index.HTML
この算数トピックスというのは、質問があった受験算数の問題で、面白そうという問題について取り上げるものです。今回は、2009年立教新座中の
番の(3)というご質問でしたが、
番全体についてお答えしましょう。
イサミさんからの質問
「いつも、楽しみに拝読しています。2009年立教新座中の
の(3)についてよくわかりません。わかりやすく教えてください。どうぞよろしくお願いします。」
問題
(2009年 立教新座中3番)
解法
となります。
つまり、AB=4×奇数
一方、
8+7+5+3+A+B=9の倍数
なので、A+B=4か13
AB=4×奇数ということでは、04に8ずつ足すと、
04、12、20、28、36、44、52、60、68、76、84、92
となります。このうち、A+B=4か13のものを選ぶと、04、76
答え
(1) (A,B)=(0,3)、(1,2)、(2,1)、(3,0)、(9,3)、(8,4)、(7,5)(6,6)
(2) (A,B)=(2,0)、(7,4)、(3,8)
(3) (A,B)=(0,4)、(7,6)
8の倍数の見分けた
下3けた(百の位と十の位と一の位からなる3けた)が8の倍数であれば8の倍数です。
算数自由研究7 倍数の見分けの発展 (本稿2011年11月号)
もう少し細かく言うと3けたの数ABCが8の倍数であるときは、
| 百の位 | 下2けた |
| 1 3 5 7 (奇数) |
04 12 20 28 36 44 52 60 68 76 84 92 (4×奇数) |
| 2 4 6 8 (偶数) |
00 08 16 24 32 40 48 56 64 72 80 88 (8の倍数) |
というときです。
前回、「数陳図」について、意外と好評のようで、うれしい戸惑いです。
入試にあまり出ないとしてもこういうのは少しやっておいたほうがよさそうだなということが伝わったことがうれしいと思いました。
ところで、「どうぶつしょうぎ」というのをご存知ですか。将棋を小さくしたようなもので、将棋の普及に効果的だとのことで、最近流行っているそうです。下の「どうぶつしょうぎFlash」については、必勝できますか。私は必勝できますが、本当に強い「どうぶつしょうぎ」はもっと奥が深く、後手必勝なのだそうです。
どうぶつしょうぎFlash
http://horisetsu.web.fc2.com/doubutsuflash.html
囲碁を小さくしたようなゲームで、「よんろの碁」は4路、「ふれあい囲碁」は「囲碁九路盤ゲーム」と同じ9路の囲碁ゲームです。これらが囲碁の普及に役立っているそうです。「囲碁九路盤ゲーム」のソフトが日本棋院から無料ダウンロードできます。
「囲碁九路盤ゲーム」
http://www.nihonkiin.or.jp/lesson/GoGame/index.htm
ふと、「どうぶつしょうぎ」が「将棋」の普及に役立つように、そして「よんろの碁」が「囲碁」の普及に役立つように、「数陳図」は「小さな算数」として「算数」の普及に役立つのではないかと思えてきました。
というか、「数陳図」は日本ではそれほど普及していないのですが、中国でかなり普及している模様です。なぜかというと、日本では中学入試は盛んですので、6年生向けの問題はたくさんありますが、小学生の各学年の試験はあまり盛んではなく、各学年の難問が余りないからでしょう。
「算数ができるようになるためにはどうしたらよいでしょうか?」という質問をこれまで何千回も受けていますが、「算数が好きになればよいのです」とお答えしたり、「問題の意味がわかり、自分が難しいと思える問題に粘り強く考えてみるとよいです」とお答えしていますが、数陳図や数字謎がいいのかもしれません。
例題1
1から8までの8個の数を次の図の○の中に入れて2つの大円に並ぶ5個の数の和を21にしなさい。
解法
1から8までの和は、(1+8)×4=36
21×2-36=6
2個の重数の和は6
(36-6)÷2=15
3数で15になる数を2組作る
816 753
3数で15になるのは、1から9までの数であれは、
294、753、618、276、951、438、258、546
の8通りある、2数で6になるのは(2と4)、(1と5)である。
この2組は、期せずして、9がらみで15になれる組み合わせである。
(2、9、4)、(9、5、1)
(2、9、4)を使わないで、3数で15になる組み合わせは、(7、5、3)と(6、1、8)
(9、5、1)を使わないで、3数で15になる組み合わせは、(2、7、6)と(4、3、8)
![[解法] 数陳図封閉型1](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0402.gif)
これは、「3×3の魔方陣」を知っていればやすやすできますが、それを知らなくてもでき、やっているうちに気がついてさらに興味が深まるというわけです。
解答例
![[解法] 数陳図封閉型1](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0403.gif)
どこが面白いかということを説明するのもなんですが、誰にも難しいけれども、それなのに、それぞれ、だれにもできるというところが面白いのでしょう。
例題2
1から6までの6個の数を次の図の○の中に入れて3つの線に並ぶ3個の数の和を11にしなさい。
解法
もし、和が11でなく、等しければ何でもよいということであれば、
1、2、3、4、5、6
を2つの等差数列
1、2、3と4、5、6
あるいは
1、3、5と2、4、6
に分けて、小さい順に123、123と呼べば、次のように並べればうまくいく
![[解法] 数陳図封閉型2](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0502.gif)
「1、2、3と4、5、6」の場合は次の2通りの並び方ができ、
![[解法] 数陳図封閉型2](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0503.gif)
1列に並ぶ3数の和は9と12
「1、3、5と2、4、6」の場合は次の2通りの並び方ができ、
![[解法] 数陳図封閉型2](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0504.gif)
1列の和が10と11になる。
和が11のものということなので
答え ![[解法] 数陳図封閉型2](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0505.gif)
別解
1+2+3+4+5+6=7×3=21
1列が11であるから3列は11×3=33
33-21=12
ダブリの合計が12です。
和が12の3数を求めます。
(3、4、5)、(2、4、6)、(1、5、6)などの3組が浮かびますが、1列の和は11なので、次のようになり、
![[解法] 数陳図封閉型2](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0506.gif)
1から6まで6個の数がそろっているものを選びます。
答え ![[解法] 数陳図封閉型2](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0505.gif)
付記 1から6までのうち、3個の和が11になるのは
6+1+4=11、6+2+3=11、5+2+4=11
の3通りしかないのでこの3通りを全部使う。2回出てきたものをカドに並べる……と考えると、1通りに決まってしまうので、色々考えれば遅かれ早かれ誰にも必ずできます。
四角形の場合について考えてみましょう。
例題3
2から9までの8個の数を次の図の○の中に入れて4つの線に並ぶ3個の数の和を18にしなさい。
解法
8個の数の合計は
2+3+4+5+6+7+8+9=11×4=44
18×4=72
72-44=28 これは各列のダブっている4スミの合計
9+8+7+4=28か
9+8+6+5=28
となるから、いずれにしろ、9と8を4スミのどれかに必ず使う。また、2、3は4スミ以外に使う。
また、1は使わないので、9と8は隣の4スミには使えない。はなれ4スミに使う。
![[解法] 数陳図封閉型3](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0602.gif)
4スミが、9、8、7、4の場合、あとは、1列の和が18ということから、順に決まる。
![[解法] 数陳図封閉型3](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0603.gif)
4スミが、9、8、6、5の場合、1列の和が18ということから、同じ数字5、6を使うことになり、2、7の使い場所がなく不適当。
![[解法] 数陳図封閉型3](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0604.gif)
答え ![[解法] 数陳図封閉型3](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0605.gif)
では、3年生の数陳図の最後の問題「3つの輪」です。
例題4
1から7までの数を、下の図の空いている7つにいれて、各円内の数の和がどれも13になるようにしたいと思います。a、b、c、dになどんな数を入れたらよいですか。
解法
aは真ん中で3つの円内にあり3回重複してかぞえられ、b、c、dは2つの円にあり2回重複してかぞえられている。
(1+2+3+…+7)+a+a+b+c+d=13×3
a+a+b+c+d=39-28=11
(a+b+c+d)の最小値=1+2+3+4=10
a+(a+b+c+d)=11
なので、
a=11-10=1
b、c、dは2、3、4(順不同)
答え a=1、 b、c、dは2、3、4(順不同)
1. 1から8までの8個の数を次の図の○の中に入れて2つの円に並ぶ5個の数の和を20にしなさい。
![[問題] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0801.gif)
2. 1から6までの6個の数を次の図の○の中に入れて2つの円に並ぶ4個の数の和を等しくしなさい。
![[問題] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0802.gif)
3. 1から8までの8個の数を次の図の○の中に入れて4つの線に並ぶ3個の数の和を等しく15にしなさい。
![[問題] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0803.gif)
4. 1から8までの8個の数を次の図の○の中に入れて2本の線に並ぶ、2つの円周に並ぶ4個の数の和を等しくしなさい。
![[問題] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0804.gif)
5. 1から7までの7個の数を次の図の○の中に入れて5本の線に並ぶ、3個の数の和を等しくしなさい。
![[問題] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0805.gif)
6. 1、3、5、7、9、11、13の7個の数を次の図の○の中に入れて各円内の4つの数の和を等しく34にしなさい。
![[問題] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0806.gif)
解法
1. 20×2-(1+2+3+4+5+6+7+8)=4
4=1+3 重数が1、3ときまる。
答え ![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0807.gif)
2. 和が12 ![]()
![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0809.gif)
和が13 ![]()
![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0811.gif)
和が14 ![]()
![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0813.gif)
和が15 ![]()
![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0815.gif)
和が16 ![]()
![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0817.gif)
3. 15×4-(1+2+3+…+8)=24
4スミの和が24になる。
8+7+6+3と8+7+5+4の2通りあるがそのうち、次の図がうまくいく。
答え ![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0818.gif)
4. 1、2、3、4と5、6、7、8に分けて、1、2、3、4をひし形状に配置させる。この場合、縦線、横線、内円、外円の和はいずれも5になるようになるように、(1と4)、(2と3)が対角線上になるように並べ、他方の5,6,7,8をもう一方のひし形状に、ただし(5と8)、(6と7)が対角線上になるように並べます。
![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0819.gif)
実際には8通りずつできるので、これだけでも8×8=64(通り)できる。90度回転というか、1234と4567の全体を取り換えることもできますし、1から8を(1、2、3、4)と(5、6、7、8)に分けるほかには、(1、3、5、7)と(2、4、6、8)に分けることもできます。そのうちの1個を答えるとよいので、たくさんの答えが可能で、見かけの割に簡単な問題なのですが、小学三年生にとって「ものすごく難しい問題の答えを自分で見出した」と喜ぶしかけなのです。
「算数が好きになる」とは「自分にとってものすごく難しい問題の答えを自分で見出した」ということだと思うのです。小学3年生のお子様にすすめてみてください。算数大好き人間が大量に発生するものと思われます。
答え 解答例 ![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0820.gif)
5. 5本の線に並ぶ、7この○のうち、1番上の○だけ3本の線に並び、他の6個の○はすべて2本の線に並んでいます。なので、
(1+2+3+4+5+6+7)×2+(一番上の○)=(1列の和)×5
となります。つまり、
56+(一番上の○)=(1列の和)×5
です。ここで(一番上の○)は
1、2、3、4、5、6、7のうち、4とわかります。
56+4=(1列の和)×5
とすればうまくいくからです。
56+4=60、60=(1列の和)×5、(1列の和)=60÷5=12
![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0821.gif)
横の2線のうち、どっちも、123567のうちの3個で12にするとよい。
一方が5+6+1、他方が2+3+7であればよい。
答え 解答例 ![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0822.gif)
6. aは真ん中で3つの円内にあり3回重複してかぞえられ、b、c、dは2つの円にあり2回重複してかぞえられている。
(1+3+5+7+9+11+13)+a+a+b+c+d=34×3
a+a+b+c+d=102-49=53
(a+b+c+d)の最大値=7+9+11+13=40
a+(a+b+c+d)=53
なので、
a=53-40=13
b、c、dは7、9、11(順不同)
答え 解答例 ![[解法] 数陳図封閉型5 まとめ(ふりかえり)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0823.gif)
以上が、「小学3年生向けの数陳図封閉型」でした。「小学4年生向けの数陳図」についても、いずれ述べたいと思います。算数が苦手な子は算数が好きになり、得意な子はもっと得意になるというものですので取り組んでみてください。でも、算数ができるようになる前に算数が好きになるためのものですので、取り組み方の方法はあまり強制しないように、「難しすぎる」と感じている子には取り組まなくても無理強いしないようにしてください。
数陳図はあまり中学入試に出ないと書きましたが、実は全く出ないわけではなく、しかもいざ出ると、結構難しいのです。
問題
![[問題] 2011年 法政大学第二中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0901.gif)
(2011年 法政大学第二中3番)
解法
![[解法] 2011年 法政大学第二中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0902.gif)
1つの辺の和が9、10、11、12の4通りで、2番目の10の場合、3つの頂点に入る数の和は、1+3+5=9です。
答え (1) 9 (2) 668
付記
(2) は以下のようになります。
![[解法] 2011年 法政大学第二中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_0903.gif)
問題
(2011年 春日部共栄中4番)
解法
まず、
a+b+c=49-15=34、d+e=49-30=19、e+f+g=49-39=10、
b+g+h=49-22=27、c+e+f=49-31=18
数の候補は1 2 7 9 11 12 14 15
d+e=19から、(d、e)の組が(7、12)の組とわかります。
次に、
d=7とd=12の場合分けをしましょう。
d=7、e=12のとき
f+g=10-e=できない。d=7ではない。d=12、e=7である。
d=12、e=7のとき
a+b+c=34
f+g=10-e=10-7=3
b+g+h=27
c+f=18-e=18-7=11
残りの数の候補は1 2 9 11 14 15
c+f=11から、(c、f)の組が(2、9)の組とわかります。
f+g=3から、(f、g)の組が(1、2)の組とわかります。
よって、f=2、c=9、g=1と決まります。
さらに、
f=2、c=9、g=1のとき
a+b=34-c=25、b+h=26
残りの数の候補は 11 14 15
a+b=25から、(a、b)の組が(11、14)の組とわかります。
b+h=26から、(b、h)の組が(11、15)の組とわかります。
よって、b=11、a=14、h=15と決まります。
以上により、
a=14、b=11、c=9、d=12、e=7、f=2、g=1、h=15
答え (1) 7 (2) 9 (3) 11
問題
![[問題] 2011年 山手学院中7番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1101.gif)
(2011年 山手学院中7番)
解法
(1) 4つの円に重なっている数を最大の13にしています。
そのとなりの3つの円に重なっている4数をその次に大きい12、11、10、9にします。
そのまたとなりの2つの円に重なっている4数をその次に大きい8、7、6、5にします。
さいごの1つの円だけにある4数を小さい数4、3、2、1にします。
(1+2+3+4)+(5+6+7+8)×2+(9+10+11+12)×3+13×4=240=60×4
となって合います。
真ん中の13の左の
と下の
は一方が9で他方が11です。
また、
、
は一方が5で他方が7です。すると、13の下の
が9ときまり、13の左の
が11ときまります。
と一番下の
は一方が1で他方が2です。
と
との和は8です。
と1番下の
の和は7です。
は1、
は7、
は5、1番下の
は2です。
(2) 4つの円に重なっている数を最小の1にしています。
そのとなりの3つの円に重なっている4数をその次に小さい2、3、4、5にします。
そのまたとなりの2つの円に重なっている4数をその次に小さい6、7、8、9にします。
さいごの1つの円だけにある4数を大きい数10、11、12、13にします。
1×4+(2+3+4+5)×3+(6+7+8+9)×2+(10+11+12+13)=152=38×4
なので、38です。
(3) 一番上の□は12です。
、
、
はどれかが3、4、5です。![[解法] 2011年 山手学院中7番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1103.gif)
12+7+3+4+5+1+
=38
の上の
=6、すると
の下の
=9
1+2+
+
+7+8+13=38
なので、
+
=7
なので、
=5ときまる。
1+2+5+6+9+11+
=38
=38-34=4
=7-4=3
答え (1)
1、
7、
5 (2) 38 (3)
3、
4、
5
付記
どうだったでしょうか。数陳図の問題も、ほかの問題と比べて特にやさしくはないですようですね。
さて、「数陳図」も難問で中学入試に出るということが確認できたと思いますが、「数陳図」系の問題は、学校によって、出やすい学校とかはあるのでしょうか。取り合えず春日部共栄、法政二、山手学院の過去問を少しさかのぼってみましたが法政二中には見当たりませんでした。
問題![[問題] 2010年 山手学院中5番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1201.gif)
![[問題] 2010年 山手学院中5番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1202.gif)
![[問題] 2010年 山手学院中5番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1203.gif)
(2010年 山手学院中5番)
解法
(1) (1,3,8)、(1,4,7)、(1,5,6)、(2,3,7)、(2,4,6)、(3,4,5)の6通り。
(2) 8の両側は1か3つまり、
は1か3である。また、1は2とならばない。よって
は3ときまる。残るのは
、
、
は
は4ときまる。
![[解法] 2010年 山手学院中5番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1204.gif)
(3) 和が13の組は(1,4,8)、(1,5,7)、(2,3,8)、(2,4,7)、(2,5,6)、(3,4,6)の6通り。
4と2が離れているので、4の隣は1か8、または3か6
2とならべるのは、1以外ならなんでもよい。次の3通りの場合分けで考えると
![[解法] 2010年 山手学院中5番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1205.gif)
ここで、4つかどの和は、13×4-8×9÷2=16なので、左下のカドは
になるが、
![[解法] 2010年 山手学院中5番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1206.gif)
となり1通りに決まる。
よって、
は7、
は6
答え (1) 6通り (2)
3、
4 (3)
7、
6
問題![[問題] 1996年 山手学院中2番(18)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1207.gif)
(18) 表のあいているところに異なる整数を1つずつ入れて,たてにたしても横にたしてもななめにたしてもそれぞれの3つの数の和が同じになるようにします。同じになる3つの数の和は
です。
(1996年 山手学院中2番(18))
解法
3+ア=4+8なので、ア=9
9+4=8+イなので、イ=5、
9+8=ウ+3なので、ウ=14
イ+ウ+8=5+14+8=27
答え 27
付記
以上2010年と1996年とをみてみましたが、これだけで、山手学院中が取り立てて数陳図を出しやすい学校とまでは言えませんが、比較的好きな学校といえるかもしれません。
2010年の春日部共栄には虫食算が出ています。虫食算は数陳図ではありませんが、比較的近い問題と言えるでしょう。ただ、これだけで春日部共栄が数陳図を出しやすい学校とまでは言えません。
問題![[問題] 2010年 春日部共栄中2番(5)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1301.gif)
(5) 1~4,6~9の8個の整数を1つずつ右の
に入れて引き算が正しくなるようにしなさい。
(2010年 春日部共栄中2番(5))
解法
ABCDE-FGHI 5=33333とおくと、E=8というのはすぐわかる。
ABCD 8+FGH 5=9の倍数、
33333は9で割って6余る数だから、
和が9の倍数で差が9で割って余る数だから、
ABCD 8は9で割って3余り、
GHI 5は9で割って6余ることもわかる。
すると、(G、H、I)の和は9で割って1余る、(1、3、6)か、(3、7、9)か、(4、6、9)になるが、GHI=793と決まる。
![[解法] 2010年 春日部共栄中2番(5)](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1302.gif)
付記
これもあまり簡単ではありませんでしたね。
今年の渋谷教育学園渋谷中の算数の問題3番で「ピックの定理」の大型問題が出ましたのでご紹介します。
問題
今,図2の四角形の場合では,この図形の周上にある点の数は4個,内部にある点の数は1個です。次の問いに答えなさい。
![[問題] 2011年 渋谷教育学園渋谷中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1403.gif)
![[問題] 2011年 渋谷教育学園渋谷中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1404.gif)
![[問題] 2011年 渋谷教育学園渋谷中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1405.gif)
(2011年 渋谷教育学園渋谷中3番)
解法
![[解法] 2011年 渋谷教育学園渋谷中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1406.gif)
(周上にある点の数) 12個、 (内部にある点) 19個
別解
直角三角形で長方形を囲む。
4×2+(4×4+6×2+4×2+8×2)÷2
=8+26=34(cm2)
![[解法] 2011年 渋谷教育学園渋谷中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1407.gif)
![[解法] 2011年 渋谷教育学園渋谷中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1408.gif)
周の点のうち、4スミの点は
、他はの点は
、中の点は1とするとあうことがわかる。
ここで4スミの点も点も周の点だからといって
と見なすと、実際よりも1だけ大きくなってしまうので、1を引く。
(面積)=
×(周の点の個数)+(中の点)-1
となります。
![[解法] 2011年 渋谷教育学園渋谷中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1409.gif)
答え
(1) (周上にある点) 12個、(内部にある点) 19個
(2) 34cm2 (3) あ
い 1 (4) ![[解法] 2011年 渋谷教育学園渋谷中3番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1410.gif)
「空間の点の場合の数」は大学受験生でも結構難しいと思いますが、復活しそうですね。2010年久留米大付設中の問題です。
問題
![[問題] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1501.gif)
![[問題] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1502.gif)
下には余分にあります。必ず異なる配置を示すものだけを書くこと。同じ配置を2つ以上書いていたら,その配置はいずれも書いていないものとして採点します。書いた後で,2つの同じ配置に気づいたら,一方を消して8ヶ所とも白玉にして下さい。わざわざ繰り上げて,左上から詰めて並べる必要はありません。
![[問題] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1503.gif)
<練習用>
![[問題] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1504.gif)
(2010年 久留米大付設中6番)
解法
![[解法] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1505.gif)
付記
1の辺の両端の2点
1つの面の対角線の両端の2点
立方体の対角線の両端の2点
の3様ができると考えることもできます。
![[解法] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1506.gif)
付記
このうち、次の2つは同じ並びなのか、それとも異なる並びなのだろうかと気になる人もいるでしょう。一緒に調べてみましょう。
![[解法] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1507.gif)
![[解法] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1508.gif)
1つの面を共有する3個の黒丸に注目して、真ん中の点を「頭」、左手の点を「左」、右手の点を「右」とし、この3個と同一面上にない、もう1つ黒丸を「すいか」と呼ぶことにします。
ここではそのことを強調して、手に肌色系の色、スイカに緑色を付けています。
「右手でスイカ」は「頭」とする頂点をとりかえても「右手でスイカ」になり、「左手でスイカ」は「頭」とする頂点をとりかえても「左手でスイカ」となっていることを確認してください。
というわけでこの2つの並びは異なる並びであって、回してたがいに重ならないことがわかるでしょう。
![[解法] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1509.gif)
黒玉が4個の場合は(2)の7通り
黒玉が5個の場合は、黒玉が3個の場合に白黒を置き換えても同じことなので3通り
黒玉が6個の場合は、黒玉が2個の場合に白黒を置き換えても同じことなので3通り
黒玉が7個の場合は、黒玉が1個の場合に白黒を置き換えても同じことなので1通り
よって、全部で1+3+3+7+3+3+1=21(通り)。
答え
(1) ![[解法] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1505.gif)
(2)
![[解法] 2010年 久留米大付設中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1510.gif)
(3) 21通り
前節のような問題を、「新しい問題」と思う人もおられるでしょうか。以前はいつ頃出たのでしょうかというと、かなりさかのぼれますね。どこが最初かは断言できかねますが、1983年日本女子大付属中にかなり似た趣旨の問題が出ています。
問題![[問題] 1983年 日本女子大付属中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1601.gif)
![[問題] 1983年 日本女子大付属中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1602.gif)
下の表の(ア)~(カ)にあてはまる数を求めなさい。
| 黒の個数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 場合の数 | (ア) | 3通り | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) | (カ) |
(必要なら下図を利用しなさい。)
![[問題] 1983年 日本女子大付属中6番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1603.gif)
(1983年 日本女子大付属中6番)
略解
| 黒の個数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 場合の数 | (ア) 1 | 3 | (イ) 3 | (ウ) 7 | (エ) 3 | (オ) 3 | (カ) 1 |
なので、(ア) 1 (イ) 3 (ウ) 7 (エ) 3 (オ) 4 (カ) 1
答え (ア) 1 (イ) 3 (ウ) 7 (エ) 3 (オ) 4 (カ) 1
今から30年ほど前の問題だというのに、古く見えませんね。
「立体の切断」系の問題は、古い問題ではあまり難しい問題は出ていませんが、この種の問題は結構難しい問題がありました。前節2010年久留米大附設中とほとんど同じです。
整角四角形「ラングレーの問題」の初出は1972年灘中です。次のように出題されました。
問題![[問題] 1972年 灘中2日目1番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1701.gif)
∠BAC=
°であるから,△ABCは
で,AB=
cmとなる。
また,∠BEC=
であるからBE=
cmとなる。
従って△ABEは頂角が
°の
であるから
となり,∠AEB=
°,AE=
cmとなります。
ゆえに∠DEA=
°となる。また,∠BDE=
°であるから,DE=
cmとなる。ゆえに△ADEは
となるから,∠ADE=
°となる。従って∠ADB=
°となる。
(1972年 灘中2日目1番)
解法
省略
答え
50
二等辺三角形
10
80
10
60
二等辺三角形
正三角形
60
10
40
40
10
二等辺三角形
70
30
付記 ラングレーの問題
この問題は、今日エドワード・M・ラングレーの名をとって「ラングレーの問題」と名づけられています。1922年10月、 The Mathematical Gazette 10月号にLangley's Problemとして発表されたからです。 しかし、たとえば、1916年のケンブリッジ大学学問検査において出ているなどもっと古くからある古典的な伝説の難問とされています。
日本では1967年と1971年の2度、『数学セミナー(日本評論社)』の『エレガントな解答を求む』で出題されています。受験算数では、1972年、灘中の2日目の1番に出題されたことにより広まりました。
その後、いろいろな中学校で出題されていますが、中学入試に出題された「ラングレーの問題」はいずれも細かな誘導があり難問とまでは言えないような形になって出題されています。それでもなお、本番で初めて見たという場合にはかなり時間がかかりかねないので、軽く目を通して楽しんでおくとよいでしょう。
正三角形に着眼、その正三角形の辺と等しい辺の二等辺三角形に着眼するとできます。
参考文献
整角四角形(三等辺四角形とラングレーの問題)『学校選択』より (本稿2009年1月号)
再考 「ラングレーの問題(特別な整角四角形)」の「元祖解法」 (本稿2011年8月号)
「1、1、2切り」の等脚台形の切断面の問題ですが市松模様の立体版という感じです、2010年四天王寺中の問題です。
問題
8. 1辺の長さが1cmの白色と黒色の立方体の積み木(内部も同じ色)を交互に並べて積み重ねて,立法体を作ります。![[問題] 2010年 四天王寺中8番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1801.gif)
![[問題] 2010年 四天王寺中8番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1802.gif)
![[問題] 2010年 四天王寺中8番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1803.gif)
![[問題] 2010年 四天王寺中8番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1804.gif)
(2010年 四天王寺中8番)
解法
![[解法] 2010年 四天王寺中8番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1805.gif)
付記
見取り図から考えるのが、わかりやすいが、真上、真横、真正面から見たどの図でも同じことで、いったん「同じこと」とわかったら、真上や真横や真正面から見た図のどれかで考えられるようにしておくと、図がかきやすいので便利です。
![[解法] 2010年 四天王寺中8番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1806.gif)
これを合わせて考えるとよい。
![[解法] 2010年 四天王寺中8番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1807.gif)
白:黒は3:1
答え
え
48個
3:1
付記 これは、けっこう難しいと思った人もいそうです。
では、大学入試に取り組んでみましょう。
問題![[問題] 2011年 東京薬科大学](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1901.gif)
(2011年 東京薬科大学 生命科学部(数学)4番)
※一部表現を変更しております。
解法
![[解法] 2011年 東京薬科大学](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1902.gif)
![[解法] 2011年 東京薬科大学](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1903.gif)
![[解法] 2011年 東京薬科大学](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1904.gif)
![[解法] 2011年 東京薬科大学](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1906.gif)
![[解法] 2011年 東京薬科大学](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_1905.gif)
答え (1) 20通り (2) 40通り (3) 10通り (4) 148通り
付記
ジャングルジムのように立体の中を通る問題だと少しややこしくなるので、同学出題者が手加減をして表面に限ったものでしょうが、こうであれば、小学生にも手が届きそうですね。
ページが押していますが、「2011年日本ジュニア数学オリンピック本選」というのをWEB上で見つけました。中学生向けの試験のようですが、無理数(平方根)が絡まない問題なので、一緒に取り組んでみましょう。
問題
1. 円に内接する六角形ABCDEFがある。辺ABと辺DEが平行であり,辺BCと辺EFが平行であるとき,辺CDと辺FAも平行であることを示せ。
(2011年 日本ジュニア数学オリンピック本選1番)
解法
円の中心をOとすると、
ABとDEが平行であれば、四角形ABCDは等脚台形になるから、二等辺三角形OBDと三角形OEAは合同である。
同様にBCとEFが平行であれば、四角形BCFEは等脚台形になるから、二等辺三角形OFBと三角形OCEは合同である。
すると、楔形BDOFと楔形EAOCは合同である。![[解法] 2011年 日本ジュニア数学オリンピック本選1番](../../../images/column/essay/sansu/12_m02/1202_2002.gif)
よって、三角形BDFと三角形EACは合同になるので、
三角形ODFと三角形OACは合同である。
すると、四角形ACDFは等脚台形になり、CDとFAも平行になる。
Q.E.D.
感想
円に内接する六角形の離れた3組の2辺のうち、2組が平行であれば、もう1組も平行であるという結果も面白いと思います。
ABとDEが平行であれば、四角形ABCDは等脚台形になるから、二等辺三角形OBDと三角形OEAは合同である。
これは逆
二等辺三角形OBDと三角形OEAは合同であれば、四角形ABCDは等脚台形になる。
も成り立ちます。こういうことは確かめて知っていた方がよいと思います。
なお、この問題の逆
六角形の離れた3組の2辺が平行であれば、その六角形は円に内接する
はなりたちません。確認しておきましょう。
このまま中学入試に出るとは考えにくいけれども、小学生がわかれば楽しいと思います。
では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
